今一番優先されるべきこと。


8月11日に、クライストチャーチ再建計画が発表されたのですが、
私はそれを、オークランドで見ることになりました。
この、クライストチャーチ再建計画について、クライストチャーチの人はどう思っているんだろう?
と、ずっと思っていました。

というのも、壮大な夢の大計画。
電車は走るし、大聖堂前は公園になるし、新しい施設はいっぱいできるし、
20年計画とはいえ、すごいじゃないですか?

まず、2013年には、エイボン川沿いに緑豊かな散歩道をつくる工事が始まります。
2016年には、新しい図書館や、スポーツ施設などができあがります。
そして、2018年には、街の中心部から、カンタベリー大学まで、電車が開通!!!

すごいなー。すごすぎる。

そこで、今回クライストチャーチに行った時、クライストチャーチの友人たちに、
「例のクライストチャーチ再建計画はどうなの?みんな喜んでる?」と聞いてみました。
すると、みんな口を揃えて「う~ん。。。」という感じだったのです。

あれ?私、みんな未来図が見えて喜んでると思ってたのに。

話を聞いてみると、
「電車は本当に必要なのか?莫大な予算がつぎ込まれるみたいですけど。。。」
「高いビルを作らないっていうけど、日本は、高いビルでも耐震性あるから安全なのに。壊れることが前提?」
「10年20年未来の話ではなく、今の生活がいつ元に戻るのか知りたい」
など、割とネガティブな意見に出会いました。

確かに、未来予想図は分かったけど、それはあくまでも今は夢の世界であって、
今ホントに知りたいことは、年内や、来年のこと。
「立入り禁止エリアはいつ解除されるの?」
「でこぼこの道はいつ平らになるの?」
「いつになったら街中の仮設トイレがなくなるの?」
「液状化した土地はどうするの?」

そうでした。
私は、クライストチャーチを離れ、
未来のクライストチャーチ再建プランを見て、
他人事のように喜んでました。

でも、今もクライストチャーチに住んでいる人達にとっては、
そんな未来予想図よりも、今の生活に直結することを、もっと知りたいのです。

私。浅はかでした。

確かに、未来の明るい再建プランが出てきたことで、
クライストチャーチ市民の気持ちは明るくなったかもしれません。
でも、この計画が発表されても、現実の毎日は何も変わらない。

その中で、こんな話がでました。
「先日、立入り禁止エリアの花壇に、市役所が新しい花を植えていた。
誰もいないそんな場所に花を植える人手とお金があったら、もっとほかの事に使って欲しい」
というのがTVでも取り上げられたそうです。

そうですよね。その通り。
誰もいないエリアの花壇に、今、花を植える必要はありません。

実は、巽の機材搬出の時にも、同じようなことがあったのです。
隣の建物は取り壊されて、なくなっていたのですが、
建物を撤去するのに、歩道を少し傷めてしまったようなのです。
そこの歩道を、6人もの工事作業員が来て、きれいに舗装をしていきました。
その光景を見ていた私たちは、
「どうして、こんな立入禁止エリアの歩道を舗装しているの?
クライストチャーチには、舗装しなくてはいけない道路が、他にいくらでもあるのに!」
と、工事している人達を見ながら話していました。
すると、日本語など分かりもしないドライバーが、
「君たちの言うとおりだ。言葉は分からないけど、思うことは僕も同じ。
そんなことやって何になるんだ。こんな所を舗装して誰が使うんだ。意味ないよね」
すごい!言葉が通じなくても、通じ合ってしまった。。。

そんなわけで、市民が不可解に思うようなところに、人手が割かれていたりするのです。
もちろん、私たちの分からないところで、いろいろあって、
すべてのことには意味があるのかもしれません。
でも、やっぱり、今一番大事なのって、
「1日でも早く、元の生活に戻りたい」
ってことですよね。

やっぱり最後には、
「そもそも、立入り禁止って、放射能が出ているわけでもないのに、
世界的に見ても、被災地をこんな風に封鎖することって、あんまり例がないんじゃないのか?」
という話になり、
「よくこれで暴動が起きないよね。さすがニュージーランド」
ということで、話は終わりました。

いまだに立入り禁止エリアに放置されている会社やお店がたくさんあります。
確かに、本来であれば、暴動が起きてもおかしくない。
平和なんだな。ニュージーランド。
と、改めて思うのでした。

 

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