シドニー出発前夜の事件 ①


さて、とうとうシドニーへ行く日がやってきました。
朝7時の便なので、5時には空港へ到着せねばならず、シャトルが4時に迎えに来ることになっていました。
日曜日だというのに、思いのほか忙しく、仕事が終わって家に帰った時間がすでに夜中の0時。
3時起きなので、たったの3時間しか寝れません。
とりあえず、シャワーを浴びて、2時間くらい仮眠をとらないと、さすがに一睡もしないのはしんどい。
飛行機で寝れたらいいけれど、いいのか悪いのか、飛行時間はたったの3時間半です。

私は先にシャワーを浴びて、ダンナは出発前にシャワーを浴びることになりました。
そして、さて仮眠を取ろうかというその時、ダンナが言いました。

「あれ?時間がさっきより早くなってない?今何時?」
「1時だけど」
「そうだよね。さっき0時だった時計が11時半になってる」
「えー?なにそれ?」

止まってるのか?いや、動いてる。
でも、よく見てみると、なんと、秒針が逆回りしてる!!!
つまり、時計が逆回りして、時間が戻って行くんです!
どうしたらこんなことになるんでしょうか。
なんか不吉。。。

とりあえず、時計を正しい時間に合わせたところで、ダンナが言いました。

「そういえば、iTune のレンタルビデオ、そろそろ期限切れるんじゃない?」

「いやぁ。さすがに4週間はたってないでしょ。3週間くらいじゃない?」

4本借りて、最初の3本は立て続けに見たけれど、最後に一本をまだ見ていなかったのです。

「念のため、いつまでか確認しておこうか」

「そうだね」

ということで、期限を確認してみると。。。。

「あれ?あと36時間だって」

「え?うそでしょ?36時間って、あと1日半後ってこと?」

「そうみたい」

「シドニーから帰ってきたらもう期限切れてるってこと?」

「まあ、そういうことだろうね。」

「。。。。。。」

「どうする?」

「。。。。。。」

「映画を見たら一睡もできないけど、今見ないとなくなっちゃう。」

「。。。。。。」

「お茶でも淹れますか」

ってことで、一睡もせずに見た映画は、
大泉洋の「探偵はBarにいる」

なかなかおもしろかったですよ。
これでおもしろくなかったら、正直許さんって感じでしたが、
二人とも、映画の出来栄えに満足し、エンドロールまで最後まで見てしまいました。

そんなとき、ふいにダンナの携帯が鳴りました。

「だれ?こんな時間に。夜中の3時だけど!」

と言いつつ電話に出たダンナ。

「OK。Should be Alright」

なんだ?誰だ?

電話を切ったダンナが一言

「シャトルが、時間ちょっと早いけどもう下に迎えに来てるって。。。」

「えーー?だってまだ3時でしょ?1時間もあるじゃん!」

と、思って腕時計をみると、4時10分前じゃありませんか!
TVの横の時計は3時10分前!

さっき逆回りになっていた時計を正しい時間に合わせるとき、
どうもダンナが1時間間違えて時計を合わせてしまっていたらしいのです!

私たちは10分で荷物をまとめて、慌てて下へと降りていきました。
もちろん私は風呂上りでパジャマ状態。
そのへんの服を手に取りノーメイクで、身の回りのものはスーツケースに投げ込みました。
ダンナは「シャワーあびる時間ないよね。。。」と、そんな時間がわるわけないのを分かっていながら呟きます。
ほんと、取るもの取らずして出発した私たち。
火災警報器がなっても、あれだけ冷静に身支度を整えて避難していたのに、
なぜシドニーへの出発がこれほどまでに慌ただしいのか。。。

ところが、下へおりたらシャトルがいないじゃありませんか!
え?遅かったから行っちゃったのかな?
時計を見ると4時5分。

タクシーを呼ぼうか、もう自家用車で行ってしまおうか、どうしようか相談していたとき、
向こうからシャトルが!
どうも、私たちを待っている間の時間で、この近所の別の誰かを先にピックアップしに行っていた模様。
もう!驚かさないで!
というわけで、無事にシャトルに乗り込みました。

シャトルに乗り込んでから、
「絶対なんか忘れてものしてるよね。間違いないよね。
とりあえずパスポートさえあれば、忘れたものは向こうで買えばいいね」

だいたい旅行の出発前って、それなりに慌ただしかったりするけど、
ここまで慌ただしいのは初めての経験。

いやぁ。せめて映画がいまいちだったら、きっとエンドロールまで見ることもなく、
あと5分は余裕があったのになぁ。

ただでさえ過密スケジュールのシドニー滞在、そして睡眠時間0(ゼロ)での挑戦、
さらに出発間際の神経をすり減らすようなこの事件。

まあ、映画を見始めた時間から、映画の上映時間を足せば、
こんな時間になっていることは予測ついたはずなんだけど、
ついつい目で見える時計の時間を信じてしまっていました。

そもそも、時計が逆回りって!
なんだそりゃ?

なんだか、この先のシドニー滞在に暗雲が立ち込めるようなスタートだったのでした。。。

(つづく)

シドニーグルメ旅行1日目 前編(ホテル→一風堂ラーメン)②

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