手術当日⑧


とうとう手術の日がやってきました。

12:30に、お店に迎えに来てもらうことになっていたので、朝は割と、今までどおり。
この手術でどうにかなっちゃうこともないと思うので、
特に身の回りの整理などもせず、書置きなどもせずに家を出ました。
今回のことで思いましたが、
私、不治の病になったら、絶対に告知してほしいですね。
自分の命の時間が分かっていた方が、いろいろ思い残すことなく過ごすことが出来るし、準備もできる。
怖いかもしれないけど、人生なんて、交通事故で明日終わっちゃうかもしれないわけだから、
それだったら、あらかじめ、分かっていたいな。
と、思ったのでした。
ダンナとも、お互い、「不治の病とわかったら、絶対告知しようね」と言い合いました。

さて、店から病院までは、車で10分足らず。
まずは、レセプションで受付をしました。

すると、日本人の方から声をかけられたのです。
「○○さんですか?」

「違います」と答えると、レセプションの人も何か書類を見始めました。

実は、この方、通訳として病院に呼ばれてきていたようで、
私が日本人だと分かって、私に依頼されたと思ったようでした。

先日病院に送った手術同意書に、
「通訳をつけますか?」という項目があったのです。
正直、どうしようかなぁ。と思ったのです。
だって、私、クライストチャーチの時に、一応医療通訳の仕事とかしてたので、
そういう意味では「病院慣れ」しているところもあり、
医療英語も、多分普通の人よりよく知っているのでした。
私は別段英語ができるわけではないのですが、そのような事情から、今回、医療通訳はつけないことにしたのです。
でも、もっと重大な手術とかのときは、こういうシステムがあるんだな。ということがわかり、
少し安心しました。

さて、待合室で待っていると、看護婦さんに呼ばれました。
日本の看護婦さんみたいな白やピンクのワンピースとかじゃなくて、
上下ブルーで、下はズボンです。
日本だと、医者と看護婦の違いは、制服で一目瞭然ですが、
こちらの制服では「ナースの○○です」と名乗られなかったら、
ちょっとお医者さんみたいにも見えます。

まずは、ナースと簡単な問診。
熱、体重、血圧をはかりました。
問診票に、身長と体重を書くところがあるんですが、
「体重が45kg以下の場合は、身長は記入しなくていい」と書いてあるんです。
私は45.5kgと書いて、身長も書いていたのですが、
朝ごはんを食べていない状態で乗った体重計は44.8kg
さらに、洋服分なのか、1kgも引かれて「43.8kg」と記入され、
私、靴脱いでるし、夏だから服も軽いし、絶対1kgも引く必要ないと思うんだけど、
私、絶対そんなに軽くないし。
結局、身長を測ってもらうことができなかったのでした。
麻酔と体重が、きっとなにか関係があるんですよね?

13時半になったら、ドクターと麻酔医から説明があるから、
あとは待合室で待っているようにと言われました。
そして、妊娠検査を全員しないといけないそうで、
待っている間に済ませるように、妊娠検査薬をもらいました。

この間に、先ほどの通訳の方と日本人の女性が待合室に入ってきました。
もし通訳の人がいなかったら、私、確実に彼女に話しかけてましたよ。
だって、今日手術だろうから、術後のこととか、なんか心配事とか、
連絡先とか交換して、お話できたら、少しは気持ちがラクかな。と思ったのです。
残念。

13時半になると、別のナースに呼ばれ、手術用着替え室に案内されました。
そこで、手術用の服に着替え、足が冷えるといけないので、といって、靴下を履くように言われました。
スリッパとかは特になく、靴下がスリッパがわりですね。
脱いだ服は、病院のエコバッグに入れました。

しばらくすると、ドクターが「お待たせ~」といって入ってきました。
ドクターは、私のコルポ診をしたドクターで、
病院が違うのに、わざわざ出張してくるんですね。
これは知りませんでした。
でも、私が好きなドクターだったので、これで安心して手術を受けることができます。
あっちの病院からこっちの病院に移動してきて今到着したばかりという感じで、
足元は長靴で白衣を羽織り、肩から提げたハンドバッグの中から、
ぐちゃぐちゃに折りたたまれた私のカルテが出てきたときには驚きました。
日本ではありえませんよね~。

そして、手術の説明をしようとして、
「えーと、ペン、ペン。ないわねー」
と、ハンドバッグの中を探していたのですが、
「ま、いいや」と言って、
身振り手振りで、簡単に手術の説明をして(多分ものの1分ほど)
「じゃ、これから麻酔医がくるから~」といって、
慌ただしく出て行きました。

次にやってきた麻酔医の人は、やっぱり中国系の人でした。
「全身麻酔するけど、今までやったことある?」とか
「家族の人で、麻酔で問題のあったことある人いる?」とか
最初に提出していた麻酔同意書を見ながら、簡単な質問をいろいろされました。

そして、ここが重要です。
私は
「あの~。私、前歯が2本差し歯なんですが、今ものすごく調子悪くて、今にも取れそうなんです。
来週歯医者に行くんですが、この前歯だけは気を付けてもらっていいですか?」
と、念をおしました。
すると、麻酔医は
「OK!じゃ、口からチューブは入れないようにするよ。
万が一の時は、鼻からチューブ入れるけど、右と左、どっちがいい?」
と聞いてきたので、
「え~と、どっちでもいいです。。。。」
と答えました。
どっちでもいいですよね?
とりあえず、前歯は死守できたようで、なによりでした。

そして、麻酔医が出て行ってしばらくすると、
またドクターが戻ってきて、
「ごめんごめん。サイン貰うの忘れちゃった。ここに署名してもらっていい?」
見ると、それは、私がすでにサインをして送り返した手術同意書。
私、どこかサインし忘れたのかな?と思って、よくよく見てみると、
「医師署名欄」と書いてあるじゃないですか!

「ここ、私がじゃなくて、ドクターがサインするところみたいですよ。。。」

「え?本当?やだ~!ほんとだ!ごめんごめん。じゃ、またね~」
と言って出て行きました。

本当に、大丈夫だろうか。。。一抹の不安。

次に来たのは、麻酔のナース。
手術室へ移動する時間がやってきました。
とはいえ、カーテン一枚向こう側は手術室で、すぐそこなんですけどね。

私を病院まで送ってくれたスタッフの奥様は、ここまで同伴してくれました。
家族でも通訳でもないのに、「いいよ、いいよ。おいで」といって、
ナースもドクターも、彼女をとってもウェルカムしてくてました。
私以外の人は、みんな家族などの付き添いがいたので、
彼女が一緒にいてくれたおかげで、手術前も寂しい思いをせずに済みました。

そして、私は、ここで彼女と別れを告げ(荷物を託し)、とうとう手術室へ移動しました。

さっきの麻酔医と担当ドクター、それにナースが4人ほどいました。
みんな楽しそうに、イベントの準備でもするかのように手術の準備をしています。

ナース「じゃ、そこの台にあがって」

麻酔医「今日もし手術じゃなかったら、なにしてたの?」

私「仕事してました」

麻酔医「なんの仕事しているの?」

私「レストランです」

麻酔医「へー、どこにあるの?」

私「ニューマーケットです」

麻酔医「日本食だよね?なんていう店?」

私「TATSUMIといいます」

麻酔医「あ、聞いたことある。新聞でも見たよ。じゃ、注射するね。」

チク。

ナース「この注射が、今日一日の中で一番痛いところだから、もう大丈夫。全部終わったようなものよ」

私「(心の中で)ほんとかよ?」

ナース「次のホリデーはどこに行きたい?」

私「日本に行きたいです」

ナース「そう。じゃ、麻酔の中で、日本へ旅立って楽しんで来なさい!」

そして、麻酔マスクが口にあてられ、
「あ、酸素が薄くなった。どのくらいで眠りにつくんだろう」

などと考えている間に、目が覚めたら、すべて終わっていたのでした。

つづく

手術後当日⑨

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