クライストチャーチの地震から今日で3年


2月22日は、私たちにとって、忘れてはならない日。
3年前の今日、クライストチャーチの地震が起きました。

この3年で、街もだいぶ復興してきていますが、
もちろん、まだまだ地震の爪痕が残っています。

これは、私が去年の9月にクライストチャーチに行ったときの写真です。


巽のビルは、まだフェンスの中です。

そんなクライストチャーチで、地震1周年の時にヘンリーさんという方が始めたことがあります。
それは、復興のための工事で、街のあちこちに置いてある工事用コーンに、花を挿すというものです。
地震で亡くなった方のご冥福をお祈りするとともに、街の復興を願うのです。
花を挿すだけで、殺風景な工事風景が、なんと美しいものに変わることでしょうか。

私たちは、この運動にオークランドで参加しようと思い、
昨日のランチタイムのあとに、花屋さんに花を買いに行きました。
地震の起こった日付と同じ、22本の白い花です。

昨夜、仕事が終わった後、0時を回ってから、
工事中のニューマーケットの道路の両脇に、22本の花を挿していきました。

通りすがりの人に「なにをしているの?」と聞かれ、
明日が、クライストチャーチ地震から3周年であること、
そして、クライストチャーチではとてもポピュラーな運動であることを伝えました。

本当は、道の両脇に白い花が飾られている風景を写真におさめたかったのですが、
なにしろ夜中で暗いもので、全体図を撮ることができず、1つだけ。
こんな感じで、道の両端を飾っています。

幸い、2月22日は土曜日なので、工事もお休み。
平日だと、工事関係者の人に「邪魔だ!」といって捨てられてしまう可能性もありましたが、
週末は工事がお休みなので、2日間は通行人の目を楽しませてくれることでしょう。
そして、この意味を知る誰かが、少しでもクライストチャーチのことを想ってくれたら。
と願っていました。

そして、今日の朝、道の両端に飾られた美しい花の写真を撮ろうと思って行ったら、
どうしたことでしょう。
そこに、花はたったの一輪も残ってはいませんでした。

朝のジョギングの人とか、通行人の人とかが、
「あら。こんなところに花が!いえーい!」とでもいって、持って帰ってしまったのでしょうか。
買ったばかりなので、まだ蕾もついていたし、そこにある理由が分からない人にとっては、
何も考えずに、持って帰ってしまっても仕方ないですよね。。。

でも、ちょっとショックでした。

正直、オークランドとクライストチャーチでは、クライストチャーチ地震に対する温度差をものすごく感じます。
それは、日本もきっと同じ。
東北の人と、それ以外の地域の人では、同じ気持ちになれといわれても、難しいですよね。
それは仕方のないこと。
でも、日本では、3月11日を忘れる人はきっといないでしょう。
ニュージーランドにいても、日本人であれば、3月11日には、東北のことを想うのです。

だけど、ニュージーランドでは、クライストチャーチ以外の人の、
クライストチャーチ地震に対する思いというのは、あまり感じることができません。
なんか、TVの中のできごとっていうんでしょうか。
もちろん、みんながそうではなく、私たちに励ましの声を掛けてくださる方もたくさんいます。
でも、この、工事用コーンに花を挿す運動を知っているニュージーランド人がどれだけいるでしょうか?
少なくとも、クライストチャーチ在住で知らない人はいません。

そして、私たちのお店のカードに添えられている言葉
“Kia Kaha Christchuch”
これは、地震の時に、みんなが口々にした言葉であり、
ラグビーの試合とか、復興のあらゆる場面で目にした言葉。
当然、クライストチャーチの人で知らない人は誰もいません。
日本でいう「絆」みたいなものです。
だけど、オークランドに来てから、
“Kia Kaha Christchurch”という言葉を知っている人会ったことがありません。
あんなにTVとかでも出ていたのに!

NZ全土で、この言葉を胸に、地震復興に臨んでいると思っていたので、
正直、この言葉を誰も知らないという事実に、ショックを隠せませんでした。

ちなみに、「Kia Kaha」とは、マオリ語で「Be Strong」(強くあれ!)という意味です。

もちろん、記憶は風化していきますし、
クライストチャーチに住んでいた、もしくは住んでいる人でなければ、
そうそうクライストチャーチのことばかり考えることなんてないでしょう。

でも、せめて、2月22日だけでも、NZ全土の人にクライストチャーチを思ってほしいです。
そして、早い復興を願ってほしいです。
もちろん、強要するものではないんですが。

クライストチャーチにいたら、全員が今日は、
地震の日のこと、地震から今日までのことを思い出してる。
私たちも、オークランドにいても同じです。
でも、ここで、この気持ちを共有できる人がいないことが、
悲しいのかもしれません。
ひとりよがりでごめんなさい。。。

そんな中、こんな記事を見つけました。

「Flowers in cones to mark third anniversary of Christchurch Earthquake」

この写真、すぐそこのオークランドミュージアムの写真です。
私が花を飾った、ほんの通り一本向こうですよ!
なんか悔しいなぁ。場所が悪かったのかなぁ。
私たちが飾った花はたったの一晩で全部どっかへいってしまったのに、
ここに飾られた花は、多くの人の目に留まって、
「クライストチャーチャ地震を忘れないで!」って、訴えてる。
誰の目にも留まる前にどこかへ持って行かれた(もしくは捨てられた)花たちに、
なんだか申し訳ない気持ちになりました。

毎年のことですが、2月22日は、店頭に横断幕を飾ってます。
去年までは、
「Kia Kaha Pray for Christchurch」
と書いていましたが、
今年は、
「Kia Kaha Stay Strong Christchurch」
に変更しました。
みんなが、「Kia Kaha」の意味を知らないので、英語を併記することにしたのです。

今日も、お客様から「なにこれ?どういう意味?」と聞かれ、
説明すると、
「あー。なるほど」という反応でした。
やっぱり知らないのね。。。
中には、今日が地震から3年ということを知らない方もいらっしゃいました。

ちなみに、今日は、クライストチャーチ応援企画ということで、
カンタベリーカラーの黒と赤の服で来店してくださったお客様には、
カンタベリーのワインかビールを無料で提供させていただいています。
また、カンタベリー産のビーフかダックのお料理は半額で提供させていただいてます。

*NZ以外の方のために説明させていただきますと、
「カンタベリー」とは、東京でいう「関東地方」みたいなものです。

ちなみに、去年は、クライストチャーチの地ビールをである、
CD(カンタベリードラフト)をサービスで提供させていただいたのですが、
「このビール何?見たことない。新商品?」と言われてしまいました。

オークランドでは、クライストチャーチのビール、売ってないのよね。。。

というわけで、TATSUMIにとっても、今年はオークランドに来て3年目を迎えることになります。
クライストチャーチで頑張っているみんなに負けないよう、
私たちも、ここ、オークランドで今まで以上に頑張ります!

 

 

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