パーネルに新しくできたレストラン「Pasture」
ここは、いろいろとこだわりのレストランで、
まず、料理に関しては、「直火」を使って調理する。
料理のサーブはシェフがする。
伝統的な、発酵・漬物・保存食品の方法を好んで取り入れて、
肉はできるだけ少なく、
NZという大自然に大いなる敬意を払った料理を創造しているのだそうです。
最初にメニューをウェブサイトで見た時、
酒粕とか、梅干しとか、昆布とか、日本の食材を随分使ってるなぁと思って、
日本人のシェフがいるか、日本で勉強したシェフがいるのかな?と思っていたのです。
でも、そうじゃなくて、この店のコンセプトである、
「発酵食品」が、日本の伝統的食材に多いってことだったのですね。
自然食品にこだわるカフェとかならありますが、
ここはレストランで、しかも、一人$140のコース料理のみの、ファインダイニングです。
そこで、先週は、ダンナの44歳の誕生日だったので、
この、新しいレストランで、一体どんな新しい経験ができるのか、
ワクワクしながら行ってみることにしました。
さて、まずは、外観はこんな感じ。
第一印象としては、歯医者とか、クリニックみたいな雰囲気。
店内は明るくて、カフェのようなイメージ。
綺麗ではありますが、ファインダイニング的な雰囲気はあまり感じませんでした。
スタッフのユニフォームもカジュアルで、カフェっぽかったです。
全員紺色のチェック柄で、たぶん、色と柄だけ決められていて、
私服なんだと思います。
まさに、調理には「直火」を使っていますね。
今回は、料理を見たかったのでカウンター席を指定していて、
炎の目の前でちょっと熱かったです。
ちなみに、キッチンにガスコンロはありませんでした。
さて、料理ですが、メニューをいただいたものの、
単語だけでは分からない食材がいろいろありました。
飲み物は、ダンナはアルコールのマッチング$65、
私はジュースのマッチング$60をチョイス。
ジュースマッチングとは珍しいですが、
こちらのレストランで作っている自家製のジュースが出てきます。
しかも、ただのフレッシュジュースではなくて、
それぞれ、「発酵させた〇〇と○○のジュース」といった感じです。
マッチングは$60なので、料理と合わせて一人$200
かなり高額ですよね。ふたりで$400って、一か月分の食費ですよ。
これを高いと思うか、安いと思うかは、
料理を全部食べ終わってから判断しようと思いました。
では、ざーーっと料理名と料理の写真をご紹介します。
これはですね、薄切りしたセルリアックを二つ折りにしたものの間に、
スライスしたレモンが挟まっていて、
それに、モッツァレラチーズのソースがかかっている料理。
うーん。ヘルシーな感じ。
こちら、目の前で頭を落として、殻ごと焼いたクレイフィッシュ(イセエビ)をカットして、
ホワイトアスパラガスのクリームをかけたもの。
これがね、キュウリと酒粕しか英語が分からなかったんで、
食べてみるまで、一体何の料理なんだろう!って感じでした。
でも、ワクワクしながら上の葉っぱをよけてみるも、キュウリしか見当たらず。
勝手な思い込みで、SorrelかLovageのどちらかが魚の名前に違いないと。
Sorrel=スイバ(タデ科の植物)
Lovage=ハーブの一種で、セロリのように茎を食べるらしい
というわけで、完全なる野菜料理でした。
目の前で焼いて、捌かれたラムです。
付け合わせは、ラムのスペアリブと、アンディーブに梅ジャムを塗ったもの。
これ、デザートなんですが、卵の黄身を漬物かなんかにしたやつに、
砂糖をかけて炙ってキャラメライズして、
下がフローズンヨーグルトで、パッションフルーツソースをかけてます。
普通に、この黄身だけに醤油をかけて、ごはんにのせて食べたい。
これが「桜の木」と名付けられたデザートなんですが、
実は、これが出てくるまで、本物の桜の木が何らかの形で提供されると思ってました。
というのも、目の前の炎で、桜の枝が焼かれていたからです。
↓
なので、シェフがデザートをサーブしてくれる時に、
「あの桜の枝がデザートだと思ったよ」と言ったら、
なんと、本当に、あの桜の枝を焼いて、皮を剥いて、
桜の葉と合わせて、桜のアイスクリームを作っているんだってさ。
食べてみると、ほんと、桜餅のようなお味でした。
でも、この「桜の味」って、私たち日本人は、
桜餅や桜湯とかで知っているけれど、
外国人は、「桜味」と言われても、分からないだろうなぁ。
アイスの下に敷いてあるソースがサクランボのソースなので、
「Cherry Tree」という名前なんだそうな。
スゴイな。
食後には、バースデーカードと共に、ワッフルのサービス。
このワッフルも、目の前で焼いてましたよ。
生地をはさんで直火で焼く、煎餅焼くような道具でした。
さて、すべてが終わっての総評ですが、
まず、すごいと思ったことは、
シェフの「作りたいもの」が一貫していること。
「自然の恵みをいただく」というこだわりを、随所に感じました。
そして、$140のコース料理一本で行くというのは、
かなり勇気のいることだと思いました。
この、シェフのモットーと、こだわりを理解し、称賛する人も多くいるでしょう。
でも、例えば、オーガニックカフェのように、
一皿だけ食べられるようなレストランだったらいいですが、
興味はあっても、気軽に利用できるような価格ではありません。
そうなった場合、特別な日に一度は行ってみることができても、
二度、三度に繋がるのだろうか、というのは、今後の課題だと思いました。
その割に、お店の雰囲気は、スタッフを含めてカジュアルなんですよね。
本当に、カフェだったら、とっても居心地のよいお店だと思います。
小さいお店なので、団体客は取らないというポリシーがあって、
4名まで、と書いてありました。
5人家族の家もあると思うんですが、その辺は応相談なのでしょうか。
また、12歳以下のお子様も、ダメとは書いてはいませんが、
「ウチの料理を楽しめないと思う」というようなことが書いてありました。
小さいレストランなので、団体客や、小さいお子様が、
お店の雰囲気を壊してしまうかもしれないことを懸念しているのかもしれません。
すべての食材は、料理を作る時に用意されるんです。
私たちは、カウンターに座っていたので、準備も調理も全部見られたのですが、
野菜は、使うときに、必要な分だけ出してカットする。
ハーブは、使うときに、必要な分だけ茎からむしる。そして、ピンセットを使って飾る。
あれだけ丁寧な仕事をしていたら、確かに、団体とか、無理だと思います。
一組一組ずつのお客様を、きちんともてなしている感じは、
とても好感が持てました。
小規模なお店ならではですね。
そうそう、スタッフは、ほぼみなさんタトゥー入り。
NZのシェフは、タトゥーしている人、本当に多いですよね。しかも落書きみたいな。
料理ごとに出されるワインと、自家製ドリンクについて、
詳しく説明してくれます。
どのスタッフの方も、みんな感じが良かったですよ。
そうそう、自家製ドリンクは、どれもコンブチャみたいでした。
コンブチャって、昆布茶のことではありませんよ。
発酵飲料のアレです。
日本でいう、紅茶キノコです。
あれの、いろんな味を飲んだ感じでした。
この日いただいたのは、
・Guanciale, elderflower, blackcurrant
・Cold drip celeriac
・White peach, wild fennel, gooseberry
・Salted melon, fermented apple
・redcurrant, cascara
・sparkling rhubarb, kaffir lime
・Plum sour
さて、みなさんは、「行ってみたい!」と思いましたか?
きっと、他のお店では経験できない料理に出会えることと思います。
ぜひ、シェフのこだわりに触れてみてください!
最後に、メニューの裏に書いてある言葉を。。。
We are a seasonal & produce driven restaurant.
We cook over fire.
We prefer acidity &umami over sweetness.
We express these flavours through traditional presereving & fermentation methods.
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