2011年のクライストチャーチ大震災で、

オークランドで避難生活をしていた私たち。ひょんなことから、今の店舗を人づてで紹介してもらって、たまたまニューマーケットで店を再開することになって、「店から近い」というだけの理由で借りたニューマーケット駅のアパート。3ベッドルームの団地みたいなところだったけど、週$600(2011年時点)クライストチャーチで週$600出したら、立派な庭付き一戸建てが借りれるよ。家賃の高さに驚いたけど、大事なのは「店から近いこと」だったので、そのアパートには一年暮らしました。

このアパートを出た理由は、家賃が高すぎて、支払いが苦しかったから。お店の経営が、なかなか軌道に乗らず、店の家賃も高いし、更に家の家賃も高いとなると、本当に苦しかった。毎月毎月、貯金を切り崩しながら生活していたけれど、もう限界でした。

そんなとき、クライストチャーチ地震の復興の目途が立たないので、地震保険を一括払いで精算する話が出ました。クライストチャーチで再び店を始めることができるのが、もう何年先になるのか見当もつかない中待ち続けるよりも、今ここで、現金で精算してもらった方が、今の苦しい私たちにとっては、良いことなんではないか。ということで、この話を受けることにしました。

そして、ここで支払われた地震保険の精算金を、会社のために使ったら、きっとあっという間になくなってしまうので、ここは、このお金を頭金にして、アパートを購入し、今の高い家賃から解放されるのが良いのではないかと考えたのです。

そして、店から徒歩5分の所に、2人で暮らすには理想的なアパート(日本でいうマンション)を見つけ、クライストチャーチでの地震保険の精算金を頭金にして、ローンを組んで、1ベッドルームの小さなアパートを購入しました。これも、頭金が少なすぎて、ローン組むのは相当大変だったんです。最後にはなんとかなりましたが。。。

さて、家を購入した2012年。当然まだまだ店の経営はうまくいっていません。でも、赤字経営の中、月$2400の家賃を支払っていたのが、ローン返済が月$1000になったのですから、生活は大分ラクになりました。家を買ったことによって、毎月の支払いがラクになるって、ほんと不思議な感じ。更に、人の家にお金を払うんじゃなくて、自分の家のために払うお金ですから、絶対にこっちの方がいいに決まってる。

ということで、15万ドルを銀行から借りて、20年ローンを組んだのが、2012年8月のことでした。

↑ 大好きな広いバルコニー。 今や、ビニールハウスと鉢植えでいっぱい。

それから、2年ほどは、まだまだ店の経営が苦しくて、毎月$1000を返済してきましたが、$1000と言っても、元金$300で、利子が$700っていう世界ですので、全然返済が進まない。終わるのは、遠い遠い未来。そして、店が軌道に乗った3年目から、ローン返済期間を短くして利子を減らすために、余剰金が出たら、貯金せずにローン返済に回すことにしたのです。

そしたら、去年、思いがけず突然に、ローン完済の目途が見えてきたのです!これって、ものすごい金額を短期間で返済したかのように見えますが、考えてみたら、うちのスタッフですら年俸$45,000なんですから、オーナーである私たちは、労働時間と業務内容を考えたとき、本来であれば、二人で年俸$100,000くらいもらっていてもおかしくないんです。だけど、お店が軌道に乗ってないから、給料なんて当然もらえなくて、何年もタダ働きをしてきたのです。それが、やっとお店が軌道に乗って給料がもらえるようになったと思えば、15万ドルのローンを3年で返済しても、金額的には、全然アリな話なんです。

というわけで、突然、20年支払い続けるはずだったローンが終わって、なんか、目標を失ってしまったというか、来月から、返済がなくなったら、お金をどうしたらいいのか?

いや、貯めたらいいんですけどね。

私たちは、クライストチャーチでは最初からお店がうまく行っていて、店を改装したり、拡張したり、お金をいろいろかけて来て、「さて、これから頑張って貯金するぞ!」って時に地震に遭って、これからって時に店を閉めなくてはいけなかったことが、本当に本当に悔しかったのです。そして、オークランドで再起をかけたものの、思うようにはうまくいかなくて、貯金だけがどんどん無くなっていって、倒産寸前まで行って、そのドン底から這いあがってのローン完済だったので、なんか、もう、やり遂げた感でいっぱいになってしまったんですよ。

「オークランドでの成功」を、どこで計るかというのを、「借金がなくなるまで」と考えた場合、ローンの完済により、目的を達成してしまったのです。家賃からの解放。これは、もう、働かずしても生きて行けるに等しい。

さて、次どうするか。です。

オークランドは、元々私たちにとって、地震の後の仮住まいでした、でも、成功するまでは、離れられませんでした。負けたみたいで。勝ち負けではないんだけど、でも、うまく行かないままの撤退はしたくありませんでした。そして今、やっとオークランドの「次」を考える時期が来たのです。

私たちにとっての「次」は、1、南島に帰る2、日本に帰る

ひとつの目標として、東京オリンピックくらいまでに、次の為に動きたい。何か新しいことを始めるのには、50歳になる前じゃないと動けなくなる気がして。

ちなみに、これが、去年の9月の話です。

「次」のプランについては、長くなったので、また次回。

今日は、偶然にも、オークランドのTATSUMI開店6周年記念でした!

(つづく)

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