さて、東京オリンピックを目安に、
クィーンズタウンへ引っ越すか、日本へ帰国するか、
どちらにするのか、ゆっくり考えて行こうと思っていた昨年。
毎年恒例の、里帰りシーズンがやってきました。
一年に一回ずつ、クライストチャーチとクィーンズタウンへ里帰りするのは、
私たちの楽しみのひとつです。
これは、観光とかでもなんでもなく、
ダンナの故郷クィーンズタウンと、私の故郷クライストチャーチで、
それぞれ旧交を温め、明日への糧にする、大事なイベントです。
そして去年のレイバーデーは、クィーンズタウンへと里帰りしました。

いつもは友人と会うだけなのですが、去年は、久しぶりにちょっと遠出でもしようかと、
レンタカーまで借りて楽しみにしていたのに、天気予報は雨、嵐。
せっかく車があるのに、どこへ行こうかと悩んでいたら、
友達が、暇つぶしなら「オープンホーム巡り」がいいよ。
と、勧めてくれたのです。
クィーンズタウンの豪邸を見学するのも楽し、
信じられないくらいボロ家が、超高額で売りに出されていることに驚くもよし、
将来クィーンズタウンへ引っ越すという選択肢を持っていた私たちには、
ちょうど良い暇つぶしの提案でした。

全部で5軒見学したのですが、
その中の1軒をいたく気に入ってしまって、
本気で欲しくなってしまいました。

でも、絶対買えないのに「超欲しいモノ」ってありますよね。
たとえば、高級車とか、高級ブランドバッグとか。
買えないし、買わないし、でも、「欲しい~!」と言ってるだけで、
ちょっと夢があって楽しい。
みたいな。
それは、宮島で「古民家カフェやりたい!」と言っているのと同じレベルの夢の話。

私たちもそんな感じでした。

オープンホーム5軒見学した後、知人宅を訪問。

「あんな家で暮らせたら、ほんと最高!
まさにドリームホーム!いつかあんな家で暮らしたい!」
って話をしたんです。

だけど、当然買えないわけですよ。
築2年の、ほぼ新築の庭付き一戸建て。
新興住宅街で、環境も良く、治安も良く、空港からもすぐ近く。
オーナーが大工で、土地だけ買って、自分で設計して自分で建てて、自分で住んでるので、
まさに一点ものの住宅で、デザイン性も高く、使い勝手も良い感じ。
他の、新興住宅街の建売住宅とは、比べ物にならないくらい良い物件だったんです。

「オークランドのアパート売ったら、それを頭金にして買えるんだけどね、
でも、オークランドのアパート売っちゃったら住むとこなくなっちゃうし、
オークランドに店があるのに、住めもしないクィーンズタウンに家を買ってどうするんだよ。
まさに無用の長物。ってやつよね。
あー、欲しいけど、無理!っていうか、欲しいだけで、買う必要がない!
そもそも、あんな高価な家に住める身分でもない!」

そしたら、その知人も、ダンナも、
「とりあえず、いつかクィーンズタウンへ引っ越したいと言っても、決めたわけじゃないし、
例え決めたとしても、まずは、店を決めてから家だろ。
家なんて賃貸でもあるんだから住むところはどうにでもなるけど、
店はビジネスが売りに出なければ始められないんだから、まずは店だ」
と言うのです。

ま、確かにおっしゃる通り。
「家が欲しい」なんて、非現実的すぎる発言でした。
しかも、買う気もないのにオープンホームめぐりをして、
たったの10分見ただけの家を本気で欲しいと思うなんて、
非現実的にもほどがある。

でも、「家より店が先だろ」という発言には、
なんだかひっかるものがあったのです。
だって、クィーンズタウンの店の物件なんて、希少すぎていつ出るかも分からない。
出たとしても、高額すぎて手がでない可能性大。
なのに「店が先」っていうのは、本当にそうなのかな?

いつ出るか分からない店の物件を、賃貸に住みながら待ち続けている間に、
家の値段なんて、あっという間に上がっちゃうんじゃないの?、
今日見たあの家も、きっと来年には1ミリオン超えるよ。
今、買わないと、万が一クィーンズタウンに引っ越しすることになった時、
一生賃貸暮しになっちゃうんじゃないの?
しかも、あの家は、1ミリオンの価値があるのに、
大家が早く売りたいから、偶然値下げしているだけなんだよ!

って思ったら、「店より家が先なんじゃない?」って思えてきてしまったのです。
だって、家さえあれば、そこを拠点にして、働きながら、店の物件が出るのを待ってもいいし、
もし店の物件が出ないままでも、家さえあれば、
普通にどこかで働きながら、普通に暮らしていってもいいじゃない?
クィーンズタウンでビジネスをまた始めるなんて、
物件の希少さや、ビジネスの売買価格を考えても、
実現しない可能性の方がずっと高い。

さらに、私たちには、クィーンズタウンへ引っ越しというプランAだけではなく、
「日本へ帰る」というプランBも持っている。
クィーンズタウンに家を買ったことで、プランBがなくなってしまうようなことにはしたくない。
だけど、もし、この家が買えたら、例えプランBで日本へ帰国しても、
その時にはこの家の値段が上がって、売っても利益がでるはず。
そしたら、そのお金は、日本で新しいことをするために資金になる。
「こんな家に住みたい」と思ったから「買いたい」と思ったんだけど、
でも、例え住まないことになったとしても、
この家は、将来私たちにとっても財産になる。
(不動産バブルが崩壊しない限りだけどね)

そんな思いを秘めながら、そのあと友人K君と会いました。
そして、知人宅でしたようなのと同じ話をしてたら、
「本当に欲しいなら、オークランドの家を売らなくても、
オークランドの家を担保にして、頭金を借りられるんじゃない?」
って言われたんです。

え?そんなことできるの?
悪魔のささやきでした。

いやいや、それにしたって、貯金ゼロでは買えないでしょ。こんな高価な家。

私たちは、少しでもお金が入ると、オークランドの家のローン返済に充てていたので、
貯金は「ゼロ」なんです。
本当に「ゼロ」。
キレイに「ゼロ」。

オークランドの家を担保にして頭金を借りるなんてこと、考えたこともなかったから、
世の中ではそんなの普通のことかもしれないけど、
もし本当にそんなことができるなら、
将来、本当に住みたい家が欲しくなった時、
今回の家は駄目としても、いくらくらいの家までだったら手が出るのか、
それを知っておくためにも、一度、銀行に相談してみることにしたんです。

「クィーンズタウンで、欲しい物件があるんだけど、
見ての通り、貯金はゼロなんだけど、
オークランドのアパートを担保にしてローン組めますか?」

ダメもとでも聞いてみて、
「ダメ」と言われたら、素直に諦めつくし、
ダメならダメで、いくらまでなら借りられるのかは後学のために知っておきたい。
聞くのはタダ。

というわけで、銀行の担当者に聞いてみて、
返事を待つことにしたのです。

(つづく)

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