TATSUMIを辞めることを決意⑪


前回の続きですが、
様々なことでストレスを抱え、体に異変を感じ、
「このままでは、自分が壊れていく。。。」と恐怖を覚え、
「これからのこと」を真剣に考えるようになりました。

2020年のオリンピックまでには、オークランドを去り、
日本か、クィーンズタウンへ。というのが、去年たてたプランでした。
となると、動き始めるのは2019年。
でも、今のままの精神状態と体調のまま、
あと2年はとても無理だと思い始めました。

2019年というのを1つの目標にしていたのは、
永住権を申請中のスタッフと、(←これが辞めた)
就労ビザ申請中(永住権を目指している)スタッフがいたので、
2人をきちんと送り出すまでは、店を無責任に辞めることはできないと思っていたからです。
3年あれば、現在就労ビザ申請中のスタッフも、永住権の目途がつくのではないか。
と考えていました。

現在申請中の就労ビザが、もし3年おりれば、
たとえウチが店を辞めることになってしまったとしても、
どこかほかのレストランが、彼女をきっと雇ってくれるでしょう。
たとえば彼女が自分で探さなくても、私たちの知り合いのレストランに声をかければ、
きっと「雇いたい」と言ってくれる店があると思います。
それほど、「3年の就労ビザを持っている人」というのは価値があるのです。

だけど、もし「一年」の就労ビザしかおりなかったら。。。
そうしたら、一年後に、もう一度、彼女の3年の就労ビザを申請するまでは、店は辞められません。
それは、永住権を目指す彼女を雇った責任、とでも言いましょうか、
とにかく、私たちが、「店を辞める時期」を考えるのは、
彼女のビザがおりる「期間」がはっきりと分かってから。ということになりました。

そしてしばらくして、「3年の就労ビザが下りた」と彼女からの報告があり、
それは、彼女にとって、とても嬉しいニュースだったと共に、
私たちにとっては、真剣に店を辞める時期を考えるきっかけとなったのでした。

彼女も、他の店に移るなら、ビザ残存期間が長ければ長いほど良いでしょうし、
私たちも、できるだけ早い時期に店を辞めたい。

そう考えたとき、当然「年内」なんていうのは、あまりに早すぎて考えていませんでしたが、
年明けから、正月、バレンタイン、母の日、と、繁忙期が5月末まで続くので、
6月~7月の閑散期をめどに、店を辞めることを目標に定めることにしました。

ただし、前にも書きましたが、とにかくビジネスを売るというのは、簡単なことではありません。
特に、ここの物件のように、高額な家賃の場合には、なおさらです。
でも、私たちは、店を辞めることができるなら、売却金額にはさほどこだわりはありませんでした。
誰かが買ってくれるなら、ありがたく買っていただこう。
ここを売ることで「儲ける」ことを考える余裕は、もはやなく、
いくらでもいいから、一日でも早く買ってくれる人を探すことが、
私たちにとっては、一番大事なことだったのです。
もちろん、欲を言えば、一ドルでも高く買ってほしいですよ。
でも、ごねたり、交渉したりすることで、先延ばしになるくらいなら、
気持ちよく、サッと売ってしまいたい。というのが本音でした。

とりあえず、来年の中旬頃に店を辞めることを目標に、
年明け落ち着いたら、ビジネス売却に向けて、
不動産屋さんに相談しよう。と決めたのでした。

辞めた後どうするかって?
それは、まだ全然白紙。
日本にとりあえず帰って、ゆっくりして、温泉旅行とか行って、
そのあとは、そのまま日本にいるか、旅に出るか、
クィーンズタウンに行って隠居生活を送るか。
全然未定だけど、TATSUMIを辞めることを決めたら、
なんか気持ちが楽になって、希望が見えてきた。
私、やっぱり、とっても病んでいたんだと思う。

とりあえずは、「えーい!」って勢いで仕事辞めても、
住むところはあるし、二人で食べていくくらいならなんとかなるし、
ビジネス売れば、二束三文であったとしても、旅行くらいできるだろうし、
オークランドの家を売れば、しばらくは何もせずに生きていける。

もう、何も考えずに、とりあえず、今置かれているこの状況から脱却することが、
今、私にとっては一番大事なこと。
ストレスから解放されるためには、もうこれしかないのです。

まだ、「辞める」と決めただけで、
それに向かって何かをしたわけでもなんでもないけれど、
その決意をしただけで、なんかほんと、違う景色が見えた気がした。
次の人生を考えるだけで、ワクワクしてきた。

そうして、私の体調不良や、不眠は、少しずつ改善されていったのでした。

ちょうどそんな時、飛び込みで「ビジネス売買を専門としているものです」という、
日本人のブローカーが営業にやってきました。
なんというタイミングでしょう。

なので、私たちは、
「今すぐ売る気はありませんが、来年の中頃を考えています」と、お話しさせていただき、
「私たちは、TATSUMI の名前とビジネスを売る気はありませんので、投資物件ではなく、ここで店をやりたいという人向けです」
ということも伝えました。

これで、来年年明けに、どこの不動産屋に相談するか悩む必要もなく、
とりあえずコンタクトを取れる人を見つけることができたのでした。

まだまだ先だと思っていたTATSUMI の最期へ向け、
少しずつ動き始めた気がした瞬間でした。

(つづく)

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