ビジネス売買の行方⑭


クィーンズタウンから帰ってきて、
さてこれからどうしようか、を決めなくてはいけないのですが、
なんにしても、このオークランドのビジネスを売らなければ、身動きを取ることはできません。
クィーンズタウンの話も、この店が売れなければ何もできないわけで、
どうするのかをはっきり決めたわけではないけれど、
とりあえず、オークランドの店を売りに出して様子を見てみることにしました。

NZといえば、Trade Me
不動産屋さんに相談する前に、大体いくらくらいで売ることができるのか、
市場調査の意味も兼ねて、値段は出さずに、自分で広告を出してみることにしました。
もし問い合わせがあれば、「いくらくらいで買いたい?」と聞いてみて、
大体どのくらいの値がつくのか、知っておきたかったのです。

それと併せて、以前、飛び込みでやってきたビジネス売買のブローカーの方にも連絡をとって、
「Trade Me に、とりあえず個人で広告を出しましたので、もし、誰かいい人いたら紹介してください」と伝えました。

すると、すぐに返事が来て、以前からTATSUMIに興味を持っている人がいるので、
もしよかったら話を進めてみないか?と言われたのです。
そのために必要となる書類、「損益計算書」みたいな関係のものを集め、
とりあえず提出して、先方の返事を待つことになりました。

もともと、来年の中旬頃に売りたいと思っていたので、
「半年くらいで買い手が見つかればラッキー」と思っていました。
以前にも書きましたが、NZで(特にオークランドでは)、ビジネス売買って難しいんですよね。
物件がありすぎて、こんな家賃の高いところをわざわざ借りてくれる人を探すのが困難なのです。
なので、こんなに簡単に、興味のある人が現れるとは、まさか思っていませんでした。

その後、話はどんどん進み、その都度、必要な書類を提出しては、先方の返事を待つ。
ということが幾度か繰り返されました。
ここまでは、トントン拍子のような感じで進み、
なんだか、とても簡単にビジネスが売れるような気がしていました。

ところが、そのあと、何度も話し合いを重ねて、一度は契約書にサインまでしたのに、
そこから、ある重要な問題が発生し、契約が一旦保留ということになってしまったのです。
契約が白紙になるか、継続になるか、たとえ継続になっても、売値は格段に安くなるか、
そんな状態に陥ってしまったのです。

私たちはもう「やったー!売れたー!」という気分になってしまっていたので、
それが白紙に戻るかもしれないという状況になった時の落ち込みっぷりはハンパありませんでした。
一度売れたと思ったものが、保留になったのですから、
本当に宙ぶらりんで不安な日々を送っていました。

それから、また、何度も話し合いを重ね、
最終的には、なんとかかんとか、無事にビジネス売買の契約書に、再びサインをするところまでこぎつけることができたのですが、
私たちはもう、「完全に契約が終わるまでは、浮かれるのはよそう。」と決めたのでした。
そのくらい、一度サインをした契約書が白紙に戻るかもしれないという経験は、しんどかったです。

そして、ビジネス売買の契約というのは、サインをしたらそれで終わりではありません。
サインをしてから10営業日(つまりは2週間)は、無条件で契約を破棄できる期間が設けられていて、
とりあえず、それが終了するまでは、まだ終わりではないのです。

この2週間は、本当に本当に長かったです。
店をやめるなら、スタッフやお客さんに早く伝えたいけれど、
この2週間が終了するまでは、何が起きるかわかりませんから、まだ告知するには時期尚早です。
そして、この2週間が終了したのが11月23日。
私たちは、晴れて、TATSUMIを辞めます!と宣言できるようになったのです!

でも実は、これでもまだ、すべてが完了したわけではありません。
本当に、一筋縄ではいかないんですよ。

無条件で契約を白紙にできる期間は終わりましたが、
うちと大家との間の賃貸契約を、買い手名義に変更する。という手続きが残っています。
これは、売り手の弁護士、買い手の弁護士、大家の弁護士と、3者で行うのですが、
これが、大体3週間くらいかかるそうなんです。
もし、この契約書の書き換えの段階で、大家が「お前には貸さない!」なんてことになったら、
買い手は、この物件をあきらめるしかありません。
そうなった場合、「契約は、白紙になってしまう。」という条件がついているのです。

つまり、店の賃貸契約が、無事に書き換えられるまでは、まだまだ100%終わった訳ではないということなのです。

この作業に必要な期間は、最長で3週間と言われていますから、
もちろんそれより早く終わることだってあります。
でも、NZですから、なかなかそれは期待できそうにありません。
だけど、たとえ時間がかかったとしても、
「賃貸契約の名義変更ができない」なんてことは、よっぽどのことがない限り、きっと起こらないであろうと信じ、
私たちは、契約が完全に終了するのを待たずして、
4週間後の12月16日で、TATSUMIを閉店することを決意したのでした。

もし、何か起こって、契約が白紙に戻ってしまったら。。。。

と思うと、本当に恐ろしいです。
次の買い手を見つけて、すべての契約が完了するまで、例えば半年かかったとして、
その間営業していなくても家賃は発生するわけで、
巨額のお金が流れていくことになります。

でも、完全に契約が完了するまで待ってから、
スタッフに告知して、お客さんに告知して、閉店の準備をして。。。
なんてしてたら、もう年内は間に合わないことは分かってました。
なので、私たちは、「絶対に契約は完了できる」と信じ、賭けに出たのです。

なぜ、そこまでして12月16日なのか。
っていうと、理由はいろいろあるんですが、
とにかく、12月16日閉店を目指して、私たちは動き始めたのでした。

(つづく)

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