今朝届いた「日経ビジネス」からのニュースレターのタイトルが、
「低すぎる最低賃金が人手不足の真の原因」

え?それはないでしょ?
どこのお偉いさんがそんなたわけたことを。

だって、NZの最低賃金いくらだと思いますか?
4月1日から$17.70ですよ?
それでも、どこも人手不足です。とくに外食産業。

その記事にによると、「 健康で文化的な最低限度の生活を送るには、時給にして1500円以上が必要 」なんですって。
でも、現在の東京の最低時給は985円。

これは、「企業が、生産性の向上などの企業努力を怠って、安い賃金で多くの労働者を雇っていることで、人手不足が発生している。」というんです。

そういうことがまったくないとは言いませんよ。
でも、どちらかというと、「便利すぎるサービス」「安すぎる外食費」「多すぎるお店」の方が、人手不足の真の原因だと思うのです。

日本って、「ワンコインランチ」とかいって、レストランでも500円で立派なランチが食べられたりするじゃないですか。牛丼屋に行けば、もっと安いし。
NZなんて、どこかのお店に入って$5でランチなんて食べられませんよ。
マックとかのファーストフードとかくらい?
安ければ$12くらいから、でもまあ$20くらいが相場でしょうか。

500円でランチを出して、スタッフが時給1000円だとして、1000円でランチを出したら、時給もっと払えるんじゃないですかね?
でも、そうなると、500円ランチのお店に勝てない。
消費者が、「安い外食」を求めているから、価格競争が生まれるんですよね。
そして、消費者が「便利なサービス」を求めるから、24時間営業が生まれるんですよね。
だから、「人手不足」が発生するんだと思うんですけど。

時給が高くても人手不足なNZにいると、「 低すぎる最低賃金が人手不足の真の原因」 なんて、まったく思いません。
もちろん、国によって事情は異なると思いますが、最低賃金上げたって、働き手の数は限られてるんですから、人手不足は変わりませんよ。
そこは、企業努力で、人員削減ができるようにしなくてはいけないとは思いますが、それと最低賃金が安すぎて人手不足なのとは違う話。

NZを見てくださいよ。
最低時給が毎年上がりすぎて、どんどん物価があがるじゃないですか。
時給をあげたら、企業は価格を上げざるを得ないんですよ。
出るお金だけが増えたら、企業はマイナスでしかないですからね。
そして、また物価が上がるのです。

時給$17.7って、すごい金額ですよ。
なんの仕事もまだできない新人が、この金額をもらえるのなら、技術のある人、長く勤めた人には、当然もっとあげないといけません。
うちの会社も、仕事を頑張ってくれているスタッフの時給は徐々に昇給してきますが、その昇給と同じくらいのペースで最低時給が上がっていくので、頑張っているスタッフが可哀想です。結果、会社は、新人と長く働いているスタッフの給与に、能力に見合った差をつけるために、全体的に給与が上がりますよね。
そしたらもう、販売価格を上げるしかないんです。
今回の4月1日の最低時給UPにともない、各卸業者からも、値段UPの通達が届き始めています。

というわけで、朝から「日経ビジネス」の記事に「う~ん」と首を傾げた一日の始まりだったのでした。

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