現在、友人宅に避難中です。
わたしは、避難時にパソコンを持ってでることができず、
友人宅でPCを拝借しながらブログをUPしています。
というのも、いくらTVのニュースに情報があふれていても、
実際に体験し、そこにいた人間が、情報を発信すべきだと思うからです。
街の中心から少しでも離れていれば、それほどの被害はなかったようだということが、
友人の話からわかります。
街の中心にあった巽が現在どのような状況になっているか、
避難勧告がでているエリアに入り、さらに立入禁止になっている建物に入り
自分の目で見てきました。
私の家は街の中心部にありますので、自宅へ戻ることができません。
街の中心部を囲む4つのストリートで通行止めをしていて、車はそれ以上はいれないのですが、
その圏内に住んでいる人は、徒歩でなら入ることができます。
でも、ほとんどの人はもちろん避難しています。
私たちは、自宅へ帰るため、通行止のところまで車で行き、軍隊の人に住所を告げ、中にはいりました。
ここから家までは徒歩20分ほどです。
最初のうちは、歩いている人も少しだけいたのですが、 中心部に近づくにつれ、人っ子一人いなくなりました。
途中また警察官が立っていて、どこへ向かっているのか聞かれました。
住所を告げると通してくれましたが、誰もいない道で、両側は崩れた建物に囲まれ、静けさがまた恐怖をそそりました。
いよいよ我が家はすぐそこというところで、前方にまた警察が。
「ここはいくらなんでも突破できないかもしれない。。。」
私たちを見つけた警察が近づいてきました。
「なにをしてるの?どこにいくの?」
私は、「自宅がすぐそこにあります。クライストチャーチを離れたいので、パスポートを取りにきました」と伝えました。
手にカメラを持っているわけでもなく、3日も風呂に入れず、家を出たときの服を着たままで、もちろん化粧もしていないボロボロの私を見た警察は、
「こちら側は通れないから、あっち側からまわってみて。そこにも警察がいるから、そこでもう一度聞いてみて。」といいました。
言われた道をいくと、やはり警察が。
同じように説明しましたが、今度の返事は「NO」
でも、ここで引き下がることはできません。
避難勧告が出ていて、避難しようとしているのに、パスポートがなければ避難できない!と食い下がりました。
実はパスポートがなくても国内線なら乗れますが、この緊急事態に、そんな細かいことなど気にしていられません。
とにかく家に戻って荷物をまとめなければ、身の回りのものもなんにもありませんし、
服も化粧品も、買おうにも店も開いていません。
必死に説得した結果、安全のために警察の付き添いで家まで行けることになりました。
家の玄関では警察官が待っています。
長時間待たせるわけにはいきません。
とりあえず、下着の替えと、被災したときに着ていたビールまみれのスーツだけカバンに入れました。
もう服を選んでる暇なんてなかったので、被災しているときにスーツなんて持って意味があるのかないのかわかりませんが、
他にも、スリッパとか、目の前にあるものをとにかく詰め込みました。
何日家を離れるかもわかりませんので、何を詰めたらいいのか、見当もつかなかったのです。
とにかく大事なものだけ持とうということで、だんなとふたりで声をかけあったのですが、
案外「これだけは」という大事なものは全然なく、荷造りはすぐに終わりました。
警察官は、私たちが家から出ると、立入禁止のテープで入口をふさぎました。
次にここへ戻ってこれるのは、いつのことになるのでしょうか。。。
きっとあとから「あー。あれ持ってきておけばよかった。。。」というものがいろいろあるんだろうな。
いざとなると、冷静になれないものですね。
このあと、私たちは、果敢にも、巽への立入りに 挑戦します。
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