クィーンズタウンの住宅不足は何年も前から問題にはなっていましたが、コロナの期間中、観光客が来なくなって、仕事を失ってクィーンズタウンを離れる人が増えた上に、Airbnbとして使われていた家をフラットとして貸し出したりするようになって、住宅不足どころか、家賃の相場まで下がるような状況になっていたのです。

ところが、コロナ政策を終了して国境があいた今、多くの観光客がクィーンズタウンに戻って来てくれたことによって、フラットとしてここ数年貸していた家をAirbnb に戻すオーナーが続出。当然今住んでいる人たちは追い出されるわけで、家一軒につき3~8人くらいの人が家を失うという状況に陥ってしまったのです。

これをなんとかしなければいけないと、多くの人が声をあげ、カウンシルなどにも訴えてきましたが、自分の家をフラットとして貸そうがAirbnbとして貸そうが、それは家のオーナーの自由であって、それを止める権利は誰にもありません。

例えば、フラットであれば1部屋$250/週のところが、Airbnb だと$1,000/週で貸せるんですよ。そりゃAirbnb の方がいいですよね。

でも、フラットの場合は、長期で入居してもらえるけど、Airbnbなんて、そんな毎日ずっと埋まってるわけじゃないよね?って思うじゃないですか。だけど、ホテル代が高いクィーンズタウンでは、Airbnbは大人気。
まあ、自分の住んでいる家の空いた部屋を人に貸すならば、人が入れ代わり立ち代わりやって来るAirbnbよりも、ずっと住んでくれるフラットメイトの方がラクだと思いますが、もともとが投資用に購入した家であれば、Airbnb の運営会社にお任せして、人探し、集金、清掃、管理など、一括してやってもらったら、手放しでお金が入ってくるわけですから、その方が絶対にいいですよね。

だけど、今住んでいる人たちを追い出してAirbnbにすること、「人でなしの金の亡者」的な批判を受けているわけですが、もうローンを払い終わった家であればともかく、ほとんどの人がローンを払い続けている現状を考えた時、フラットではローンが支払えないという窮状もあるのです。

以下、ニュージーランドの家の平均価格です。
クィーンズタウンを見て!他の土地よりちょっと高いとかのレベルではない値段の高さ。

大都会オークランドですら1.2ミリオン。
同じ南島の都市クライストチャーチは0.7ミリオン。
そこにきてクィーンズタウンは1.7ミリオンって異常ですよね???

もちろん、「豪邸が多い」ってのも、平均価格を釣り上げている理由でもあるんですが、つい先日売れたわたしの真向いの家。1.3ミリオンでした。うちと広さも築年数も変わらない、一般住宅です。
つまり、豪邸もあるけれど、新築ではない築10年以下の新中古の一般住宅ですら、軽く1ミリオンを超える値段で売買されているということです。

このローンを返済するのに、そりゃ、フラットメイトよりもAirbnbの方がいいに決まってますよね。
というわけで、誰のことを責めることもできず、クィーンズタウンで「住める部屋」がどんどん少なくなってきているということなんです。
もちろん、「インフレも整ってないのにこれ以上増やしてどうするんだよ」ってくらい、新しい住宅がどんどん建てられているんですよ。でも、そういった新築の家は、フラットメイトを入れるような人たちが購入するわけではないので、結局は「住宅不足解消」にはつながらないのです。

なんか、クィーンズタウンの未来、暗すぎる。と最近感じてしまう。
住宅って、生活の中でも重要な部分じゃないですか。それが安定供給されていない場所で暮らすことって、不安しかありませんよね?

4月までウチの店で働いていたスタッフも、一人は3か月バックパッカーの相部屋暮らし、もう一人はキャンプサイトでテント暮らしをしていたんです。そんな旅人が暮らすような場所で生活しながら働くなんて、ちょっと普通じゃないと感じます。
そして、彼女たちは、夏の終わりにこのクィーンズタウンを旅立って行きましたが、厳しい冬がはじまる今になっても、多くの人が車上生活やテント生活を強いられているんです。

そこで、カウンシルが打ち出したサポートが「市営プールのシャワーを割引価格で利用できます」っていう案。
通常$7.5 のところが、割引価格で$5。さらに、指定された暇な時間での使用は $2。
あとは、図書館で無料のWi-Fiを使ったり、携帯を充電できたりします。っていうけど、これ、誰でも利用できるし。

まあ、コロナの時のように、「仕事がなくて生活ができない」というわけではないので、そういった金銭的支援や食料の支援などは必要ないんだけど、「仕事があるのに住むところがない」っていう今の状況、どのようなサポートがあったら有効なんでしょうね。

デモもあったみたい。

うちのスタッフたちは、みんな幸いなことにフラットを見つけて生活できていますが、やはり日本人は人気が高いのかな?まあ、これからスキーシーズンに入って、ますます家が探しにくくなるので、それよりも少し前にクィーンズタウンに来たのがラッキーで、部屋を探せるギリギリの時期だったのかもしれません。
それでも、みんな週$300前後支払っています。ほんと、高いよね。
でもその高い家賃には、他の都市では手に入らない「大自然を身近に感じられる暮らし」が含まれていると思うと、一概に他の都市のフラット価格とは比べられないとわたしは思っています。多くの観光客が、大金を払ってでも訪れたいと思う場所ですから、そこで暮らせる価値は、週$300以上あると思っているけれど、やっぱりそれは、生活の中で何を重視したいかっていう、人それぞれの価値観なんでしょうね。少なくとも、今うちの店で働いているスタッフたちは、クィーンズタウンでの暮らしに魅了されているように感じています。

いつも混みあってるわたしのベッドの上。
クィーンズタウンでは、人間の住む場所だけでなく、猫ちゃんの住む場所も不足しています。「殺処分ゼロ」なのは素晴らしいことだけど、ボランティア団体がお世話している猫ちゃんの数は100匹以上!
人も猫も、みんな住む場所が見つかりますように!

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