私たちがオークランドを選んだ理由


そもそも、私がはじめてニュージーランドの地を踏んだのは1998年。
北島と南島を1ヶ月ずつ、2ヶ月を費やして、ニュージーランドを1周しました。
そこで気に入ったのがクライストチャーチ。
その後、2001年に、「ワーホリ行こうかな」と思ったとき、迷わずにクライストチャーチを選んだのは言うまでもありません。

それから早10年。クライストチャーチから別の街へ移ることなど、考えたこともありませんでした。
理由はいろいろですが、クライストチャーチは、都会すぎず、田舎すぎず、適度なサイズで、適度にいろいろな店もあり、適度にいろいろなものが手に入り、過剰すぎることもなく、不足することもなく、その感じがとても快適だったのです。
さらに、バスの路線がとても便利なことと、坂道がないことは、車に乗らない私にとっては最高の条件でした。
まだ言うと、日本人がそれほど多くないこと、物価が安いこと、夏に暑くないこと、洗濯物がよく乾くこと、
などなど、いいことはいろいろありました。
長く住めば住むほど友達も増えますし、段々この地を離れがたくなって当然です。
もちろん、クライストチャーチの欠点もあるわけですが、それにも増して長所の方が多かったのです。

こんな私ですから、オークランドは、都会すぎるし、坂が多いし、交通量が多いし、雨も多いし、まったく魅力的ではありませんでした。

では、なぜ、今回、クライストチャーチからオークランドへの引越しを決意したのかというと、
それは、「仕事があったから」だけではありません。
仕事の話は、クライストチャーチ地震の直後からいただいていましたが、
「クライストチャーチを離れて、オークランドで暮らす」ということが、私の中ではまったく考えられず、
せっかくの話でしたが、あまり乗り気にはなることができませんでした。

その、私がなぜ変わったか。そして、私だけではなく、なぜダンナをも変えたのか。
ダンナはそもそもクィーンズタウン在住でしたから、クライストチャーチまでが限界だといつも言っていました。
そのダンナまでをも「オークランド行ってみようか」と言わせたのは、
一言でいえば「ノースでの暮らし」でした。

日本に帰る前、2週間ほどノースのアルバニーにある友人宅にお世話になっていました。?

そのときの様子は、以前のブログにもアップしていますが、
実は、その時の暮らしが、私たちの考えを変えてしまったのです。

元々、私たちは、オークランドといえばCITYのホテルに泊まり、
短期滞在でCITYのレストランを食べ歩く。移動はタクシー。というのが定番でした。
そう、つまり、私たちは、オークランドのCITY以外、行ったことがなかったのです。
そして、CITYだけを見て「オークランドでは暮らせない」と決め付けていました。

ところが、ノースでの暮らしはというと、
近くには、大きなアルバニーショッピングセンターがあり、
クライストチャーチにはないお店もたくさん入店し、
さらに、このショッピングセンターを囲むように、ホームセンターやらレストランやらがたくさんあり、
ここにいけば、まさにすべてが揃うのです。
なんて便利なんだ。
それだけではありません。アジアンスーパーマーケットとアジアンレストランも非常に充実していて、
このエリアだけで、一体何軒のアジア系のお店があるのでしょうか?
八百屋では、ごぼうや山芋や椎茸が購入でき、生鮮食品売り場では明太子も手に入ります。
KOSCOにはない商品もたくさんあって、日本食もお手ごろな価格であります。
まずは、「買い物の便利さ」「食材の豊富さ」にかなりノックアウトされてしまったのです。

それに追い討ちをかけるように、週末のドライブです。
ノースから、更に北に走れば、都会の喧騒を忘れる山や海。
オークランド港しか見ていなかった私たちは、その海の美しさにびっくり

山も、クライストチャーチによくある丘陵地帯とは違う、シダや常緑樹に覆われた緑の山。
日本の風景を思い出しました。

ノースは、オークランドから、ハーバーブリッジを渡った向こう側のエリアを指しますが、
この、向こう側のエリアだけで、衣食住のすべてが賄われ、とても便利な上、
ニュージーランドの美しい自然もすぐそこにある。
なんという贅沢でしょうか。
観光や食べ歩きでオークランドのCITYを訪れるだけでは、分からない世界でした。
クライストチャーチに10年も住んで、ニュージーランドのことなら大抵わかっているつもりでいたのですが、
実は、クライストチャーチのことなら大抵分かっているだけの「井の中の蛙」だったというわけです。

ただ、ノースで暮らすことの問題は、ノースとCITYを結ぶハーバーブリッジが、超渋滞するということ。
通常車で20分程度の距離が、出退勤時刻の渋滞に巻き込まれると、倍の40分は軽くかかってしまうのです。

でも、この問題もすぐに解決。
店をノースに出せばいいのです。
ノースで暮らして、ノースに店をだせば、私たちの生活はノースだけで済んでしまいます。
実際、オークランド在住の人の話を聞いてみると、やはり、CITYで仕事を持っている人以外は、
CITYにはほとんど来ないで生活しているんだとか。
CITYまで来なくても、自分の住んでいるエリアだけで、ほとんどの生活が済んでしまうということですね。
よく考えてみたら、クライストチャーチでも、私たちはCITY住んで、CITYで仕事をしているから、
CITYの存在がとても重要なだけで、
郊外に住んで郊外で仕事をしている人からみたら、CITYが壊滅状態でも、生活にはそれほど支障はないはずです。

そんなわけで、ノースでの暮らしに2週間で魅了されてしまった私たちは、
おぼろげに「オークランドでもアリだな」と考え始めたのです。
これは、ダンナと口に出して話しをしたわけではなかったのですが、
二人揃って、同じ事を思っていたことがあとから発覚しました。

そんな中、とある雑誌に、とある日本食レストランが出ているのを見つけました。
他の雑誌にも、別の日本食レストランが出ていました。
MetroのNZ TOP50レストランにも、しっかりと日本食レストランが選ばれています。
とはいっても、ほとんどが純和食ではなくてフュージョンなのですが、
それでも日本人がやっている日本食レストランであることに違いはありません。
そして、そこにあるいくつかのジャンルの中に、「Asian」があるのも新鮮な驚きでした。
アジアのレストランでも、ニュージーランド人のレストランと肩を並べて評価してもらえる。
これは、「オークランドならでは」なのではないでしょうか。
Cuisineなどの、料理系の雑誌に、各都市のレストランが紹介されたり評価されたりしていますが、
この雑誌のChristchurchのレストランのところで和食店が紹介された例は見たことがありません。
というのも、クライストチャーチには、まだまだアジア蔑視が残っているところがあり、
全国的な雑誌にクライストチャーチのアジアンレストランが掲載されることは、ほとんどないのです。
例外的に、「YAHAGI」は、何度も雑誌に掲載されていますが、
それは、味が良いのはもちろんの事、そのジャンルが「ケーキ屋」というのが理由だと思います。
日本人から絶大なる支持を得ているKINJIも、DineOutの口コミで、雑誌に載るレストランと同じかそれ以上の高評価を受ける巽も、老舗のさらさらも倉敷も、雑誌には取り上げられないのです。
別に雑誌に載りたいとかどうとかっていう話ではなく、
同じ土俵で勝負ができる環境かどうかという話しです。

わたしは、オークランドの事情はまだ詳しくありませんので、なんともいえませんが、
各種雑誌に紹介されている、多くの日本食レストランや、日本人たちを見て、
「ここでなら、本気でいいものを提供していけば日の当たる場所に出られる」という手ごたえを感じました。
美味しいものを提供して、それが分かるお客さんにだけ来て貰ったらいい。というのもレストランの在り方の1つで、
実際にクライストチャーチでは、私たちはその道を歩んできました。
でも、やるからには、多くの人に評価されたいと思うのも、レストランの在り方の1つだと思うのです。

というわけで、ノースでの暮らしから、
生活の便利さ、自然との共生、レストランの可能性などを考えたとき、
私たちに、「オークランド」という新しい選択肢が生まれたのです。

今までは、店舗改装でかけた投資の大きさを思うと、
このままクライストチャーチで店を再興させるという選択肢しかないように思っていました。
身動きが簡単に取れるほど資金があるわけでもありません。
でも、オークランドに、なんとなく明るい光を見てしまったのです。
これは、2月の地震後、クライストチャーチでは見ることがなかった光でした。

これが、私たちがオークランドへ移動してきた理由です。

今すぐになにかできるわけではありませんし、計画倒れでクライストチャーチに帰ることもあるかもしれませんが、
とりあえず、今は、「オークランドを知る」ことを第一に暮らしています。

・ここのレストランいいよ
・ここ是非いってみて
・日帰りならここがおすすめ
・ここの店でこんな商品が手に入りますよ
・ここ、店を出すのにいい物件ありますよ
・あなた、オークランドを勘違いしてますよ

などなど。オークランド在住の方からの耳より情報お待ちしています。

これからしばらくは、オークランド在住の人にとっては、「当たり前」なことに、日々新鮮な驚きを感じ
ここにつづっていこうと思っています。

まだ、右も左も分かりません。(カーナビ大活躍!)
どうぞよろしくお願いいたします。

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