さて、昨日は「KAZUYA」の紹介で終わってしまいました。
今回は、料理の紹介です。
最初にでてきたのは、自家製パン。
これが、おいしいんですよ。
パン屋のパンよりおいしい自家製パンってなんなんですかね?
毎日食卓でこんなにおいしいパンが食べれたら最高です。
そして本日のアミューズは、「ガスパチョ」。
通常ガスパチョといえば、トマトなので当然赤いんですが、
ちょっと手を加えて仕上げられたそのガスパチョスープは、なんとゼリーのように透明です。
見た目は随分ガスパチョとは違うけど、お味は上品なガスパチョでした。
ガスパチョといわれて、出てきたのがこれだったら驚きますよね。
一筋縄では行かない感じが、一品目から感じられます。
ここで、コースからちょっとはずれて、シェフのスペシャルの前菜をいただきました。
これは、中にスモークの煙が閉じ込めてあって、蓋をあけると、ふわっと、スモークの香りがします。
今までも、ペガサスベイや、ペスカトーレで同じスタイルの料理を食べたことがありますが、
もっと、ケーキにかぶせるような大きい蓋のもので、
このように、「お一人様用」みたいな小さい容器のものは初体験でした。
蓋の上にのっているのはポレンタ(とうもろこしの粉)ですが、
ふわっと柔らかく、お豆腐や生麩を彷彿させる食感で、とてもおいしかったです。
TATSUMIでも、ポレンタをビーフステーキの付けあわせで使っていますが、
もっとフライドポテトのようにかりっと揚げていて、このポレンタとは随分違います。
柔らかいのもおいしいなぁ。
さて、肝心のサーモンですが、サーモンのコンフィのスモークですね。
上にイクラをトッピングし、手前には、甘酢で味付けし、ビートルートで色付けしたタピオカが飾ってあります。
イクラとタピオカが形状が似ている分だけ、その味と食感のコントラストがおもしろかったです。
下には、豆腐と海苔の白和えのようなものが敷いてありました。
こういう料理は、本当に、和の食材を使った洋食で、NZのFine Dining で出てくる料理のようです。
次は、コースに戻って、「ラタトューユ」です。
私は、これは、この店のシグネチャーディッシュだと思います。
おしゃれなグラスには、ラタトゥーユが美しく盛られているのですが、
その上には、卵の黄身、クリームと、3層になっていて、見た目も美しい!
少しカレー風味のようなスパイスが隠し味となり、最高のお味でした。
そして、トッピングされているナッツの歯ごたえが、この料理をひときわ良いものに仕上げていました。
このナッツがあるのとないのとでは、食べたときの食感が大違いです。
このような、「とりあえずなんか載せとく?」的なものではなく、
しっかりと計算されたトッピングって秀逸だと思います。
実は、私は、今日食べたものの中では、これがナンバーワンでした。
さて、お次は「SASHIMI」です。
でも、もちろん、醤油で頂く普通の刺身がでてくるとは思っていません。
どんな刺身がでてくるのかと思ってうきうきしていました。
金目鯛の刺身です。
意外にも肉厚のカットで、「お醤油ください」と言いそうになりましたが、
シェフが作り上げたこの皿のままで、刺身を楽しく味わう工夫がされています。
手前にはワサビクリーム。
白い粉はフリーズドライレモンパウダー。
お刺身の下には、小さくダイス状にカットされた大根が敷かれています。
これを外国人に箸で食べさせるのは、かなりのチャレンジャーですね。
私が気に入ったのは、添えられていたマンゴースライス。
刺身を食べた後に、生のマンゴーでお口直しができて、とてもリフレッシュできました。
熟熟になった甘いマンゴーではなく、まだ少し青いマンゴーだったのも良かったです。
ここで、また、シェフからサービスの一皿。
「サラダ」なんですが、ただのサラダではありません。
お野菜が、少し透明なのが分かりますでしょうか。
これは、野菜のダシの中にサラダを浸けて、浸透圧で味をサラダに閉じ込めたもの。
ちょっと難しい話ですが、これ、以前、NHKのためしてガッテンで見た、
「お野菜は、55度前後のお湯に2~3分浸けると、買いたてよりシャキシャキになる」
というのの応用編なのかな?と想像します。
透明になった野菜をみたら、「冷蔵庫で凍っちゃったのかな」と思ってしまうのが一般人。
でも、これは食べてびっくりの、本当に生野菜のごときシャキシャキサラダでした。
このあとは、「30種類以上の野菜の品評会」とでも言ったらいいんでしょうか。
まるでお花畑のようなこのプレート。
本当に30種類以上あるかどうかは数えていませんが、
ピューレが3種類に、白菜のクリーム煮や、いんげんの胡麻和えなど、盛りだくさん。
ぜひ写真を見て、数えてみてください。
あ。野菜だけじゃなくて、生ハムもあります!
最初は、1種類ずつ確認しながら食べていたのですが、最後はMIXして、生ハムのサラダとして頂きました。
これまた随分と手のかかっているプレートですよね。
ここで、メインディッシュに行く前に、またシェフからの一皿。
鴨じゃないですか!
TATSUMIでも、最近「Miso Marinated Duck」を前菜でお出ししているので、
他店の鴨を興味津々で頂きました。
日本では、鴨なんて、「鴨南蛮」とか「北京ダック」以外ではあまり食べたことがありませんでした。
皿に描いてあるソースが、なんだか梅の木みたいで、私はとっても和を感じました。
ちなみに、赤いのは、ビートルートとココナツミルクのソースでした。
鴨の下に敷いてあるニラも美味しかったです。
さて、そろそろコースも終盤。
ホタテ料理ですが、これは、ニュージーランド人には一番人気なんだとか。
ホタテはウニのフォームに隠れています。
見た目は、ウニのクリームか、ムースかと思うほど濃そうな感じがするのですが、
フォークをいれてみると、本当にふすふすしていて、濃厚なフォームでした。
これが、料理をしつこくなく仕上げているのですね。美味しかったです。
中からでてきたホタテの巨大なこと!北海道産ホタテだそうです。
ホタテの下には、味噌風味の焼きリゾットが敷いてあります。
こういうところで、ご飯がちょっと食べれるのが、日本人としてはなんだか嬉しいですね。
とうとう、次はメインのビーフです。
見てびっくりですよ。生肉かと思いました。
これは、「低温調理」というやつですね。
低温調理とは、たんぱく質が固まる68度以上の温度にならないように、低温で長時間加熱することにより、
中まで火を通しながらも、肉の色が変わらないという調理法です。
見た目は生肉っぽいのですが、ちゃんと調理されています!
特徴としては、焼き色がつかない、水分が逃げない、肉がぱさつかない、などのメリットがあります。
焼いて作るステーキよりも、ずっと長い調理時間がかかります。(メニューには45分と書いてありました)
また、焼き色や、香ばしさを楽しむというよりは、肉の柔らかさとジューシーさを楽しむことに重点が置かれています。
難しいことはよくわかりませんが、絶妙な焼き加減を楽しむ鉄板焼きとは正反対の方向性ですね。
でも、どっちでも、おいしければそれでいいんですよ!
肉は、TATSUMIで使っているのと同じWAKANUI BEEFです。
WAKANUI BEEFは、和牛のような霜のはいったジューシーな肉ではなく、
赤肉なのに柔らかく旨味があるのが特徴です。
ステーキは、その肉の良さを存分に引き出した、とても柔らかく味のある仕上がりとなっていました。
とりあえず、料理はこれで終了ですが、ここまで書いて、ワインのことを書いていないことに気づきました。
今回、ワインは、ソムリエのMOJOさんにすべてお任せしました。
わたしは、諸般の事情から、昨夜一睡もしていなかったので、
とても残念ではありますが、この体調でワインを飲むのはやめておこうと考えていました。
でも、MOJOさんの顔を見たら、飲まないなんてことはとてもできず、
事情を説明し、ダンナは通常通りでいいですが、私は量を少な目にしてもらえるようにお願いしました。
さて、ここからは、私の記憶を頼りに書きますので、
もしかしたら、少し間違えがあるかもしれません。
また、出てきた順番も入れ替わっている可能性大。その場合はどうかご容赦ください。
まずは、アミューズに合わせて出てきた一杯目。
ドイツのリースリング。
勝手なイメージで、ドイツのリースリングは甘い印象があるのですが、
こちらのリースリングは、とても爽やかでした。
次、フランスのロゼ。
「本当にロゼ?」と思うほど色の薄いロゼなのですが、
かおりはしっかりとロゼ。お味も、いつも飲んでいるロゼよりも洗練されたかんじがしました。
次、ニュージーランドのシャルドネ。
思いのほか樽の香りがせずに、すっきりと飲みやすく、あっという間に飲んでしまいました。
次、セントラルオタゴで作られている「VIN GRIS」というワイン。
こちら、赤ワイン用のぶどうを使って作った白ワインとのことで、
よーくみると、色も白ワインよりもちょっとピンクがかってる?感じがします。
今まで飲んだことのない、初体験ワインでした。
このワインは、30種類の野菜の料理のときに出てきたのですが、
「さまざまな味が入り混じった皿なので、ワインも複雑な味わいのもので。。。」
とおっしゃっていました。なるほど。
次、フランスのシャルドネ。
先ほどのシャルドネに比べ、あまり冷やしすぎない温度での提供で、
豊かな香りを楽しみながらいただきました。
最後は、フランスのシラー。
いつも、ついオーストラリアのシラーズを飲んでしまうのですが、
フランスのシラーは初めていただきました。
色はそれほど濃くないのですが、味はしっかりとシラーで、
ビーフと一緒においしく頂きました。
まあ、とにかく、いつもどこにいっても、やっぱり豊富なチョイスで、安くて品質も良いNZワインを飲んでしまうのですが、
今日いただいたワインはどれも「いつもとは確実に違う。でも、確実においしい」ワイン達で、
料理だけではない「KAZUYA」の素晴らしさに花を添えてくれました。
ワインて、ついつい飲みなれたものに手を出してしまいがち。
そんなとき、料理に合わせてワインを出してくれるソムリエがいるって、最高です。
しかも、日本語でワインの説明してくれるし。
そして、なによりも、「おいしい。」
料理にあっているからおいしいのか、ワインそのものが素晴らしいのか、それは分かりませんが、
とにかく、MOJOさんに任せておけば問題ありません。
素晴らしい「KAZUYA EXPERIENCE」を、さらに素晴らしいものにしてくれることでしょう。
KAZUYAのワインは、7割以上フランスワインなんだとか。
そういえば、日本にいたときは、フランスワインばかり飲んでいたよなぁ。
当時、日本はまだ「ワインといえばフランス」という時代でした。
ちょうど、カリフォルニアやチリの、歴史はまだ浅いけど、安くておいしい飲みやすいワインが日本にも上陸してきたころだったと思います。
ところが、NZに来てからというもの、NZワイン一辺倒になってしまい、
それこそ10年以上フランスワインなんて飲んでなかったかも。
でも、フランスワインのみならず、MOJOさんに出していただいたすべてのワインがおいしかったです。
はずれがひとつもないって、すごいことです。
しかも、私は体調絶不調だったはずなのに、体調が悪いどころか、酔いさえしませんでした。
きっと、食事に合わせた良いお酒の飲み方をしたのだと思います。
KAZUYAさんが作り出す料理は「素材の味を大切にした料理」なので、
それをいかしたワイン選びをしているそうです。
NZに来てから、こんなにソムリエの人とワインの話をしながら食事を楽しんだのは初めてかも、
もちろん、言葉の問題もあるんだけど、本当に、「KAZUYA」は、まさに「日本」を思い出させる店でした。
それは、そのすべての「クオリティの高さ」からそう思うのだと思います。
「NZだからこれでいい」という妥協がありません。
日本と同じレベルの料理とサービスが「KAZUYA」にはあります。
さて、随分と長くなりましたが、このあとも、まだチーズとデザートが続くのです。
今日はここまで。
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