巽から、持ち出せる限りのものを持ち出した私たち。
大型トラックで3台分。

約1メートル四方くらいの「パレット」と呼ばれる板の上に、すべてのものを載せなければなりません。
できるだけたくさん載せようと、そりゃもうパズルのようにいろいろなものを積んで、
最後はサランラップでぐるぐる巻き。何100M使ったかわかりません。

全部で50パレット分にもなった私たちの荷物は、できあがったものから、フォークリフトでトラックに積み、
やっとすべてのパレットを積み終えるのに、なんと4日もかかりました。
東京フードさんの倉庫に4日も居座って、本当にご迷惑をおかけしました。
梱包は自分たちでできても、フォークリフトでの荷物の移動では、本当に手を貸していただきました。

でも、クライストチャーチ側は、梱包の終わったものからどんどん輸送していきますが、
受け取るオークランド側は、しばらく預かりとなるわけですから、さらなるご迷惑をおかけすることになります。
早く店の中に搬送しなければ!
でも、クライストチャーチの巽と、新しいオークランドのTATSUMIは、同じくらいのサイズのはずなんですが、
果たして、あれが全部収納できるんだろうか???と真剣に思います。
本当に大丈夫か?

店に残されたのは、持ち出せないもの(バーカウンターとか)
地震で壊れたりカビたりして、もう使えない機材(電子レンジとか炊飯器とか)
あとは、壊れてもカビてもいないけど、もういらないもの(古い椅子やテーブルとか)
本当に、すっからかんになりました。

キッチンから先は水漏れしていたので、床がぐちゃぐちゃです。

画像

オフィスのデスクはもう置いてきました

ネズミの巣窟だった食材倉庫

ドアのロゴ。
OPEN当初は「TATSUMI Japanese Kitchen & Pub」でした。
居酒屋スタイルだったんですよね。そして水曜定休でした。

2年前に改装して、OPEN 7DAYSになって、
店名も「TATSUMI Modern Japanese Cuisine」に変更しました。
懐かしいですね~。

巽を後にして、立入り禁止エリアのフェンスを出る時、
ビクトリアパークに、ランタンがたくさんぶら下がっているのが見えました。
そう。2月22日の地震のあのとき、ビクトリアパークでは、まさに「ランタンフェスティバル」の準備の真っ最中だったのです。

あのとき、ランタンのさがる公園は、避難場所の1つとなりました。
そういえば、フラワーフェスティバルも開催中で、ハグレーパークには、エラズリーフラワーショーの準備で、
パビリオンのようなテントがたくさん設置されていて、
まさにそこが、家に帰れない人たちのための仮設宿泊所になりました。
クライストチャーチは、これらのイベントで、まさに街全体が盛り上がっていた時だったのです。

今回の機材搬出で、「絶対無事にクライストチャーチまで届いて欲しい」と思ったもの。

バーカウンターに置いてあった鉢植えが、見事に2つも生き残っていたのです。
外に置いてあった笹の植木は、完全に死んでしまっていたのに、
日の光も、水もない環境で、半年も生き延びてくれた鉢植。
絶対にオークランドのお店に連れて行きたい!
なんか、ぐちゃぐちゃになった巽の中で、一筋の光でした。

こんなわけで、火曜日にクライストチャーチへ行き、
水曜日に巽の機材搬出、木曜日に家の家具搬出、金曜日に最後の梱包と搬送を全部済ませ、
無事に、半年間も店と家に封じ込められていた機材や家具を取り出すことが出来ました。
本当にこれで終わりです。

地震後、いくら巽に入れないとはいっても、そこには巽がありました。
でも、中の機材をすべて搬出し、空っぽになってしまった今、
そこに巽はもうなくなってしまいました。本当に最期なのです。
そう思うと、ここで巽を営んできた4年間が、いいことも悪いことも、本当に良い思い出となってよみがえってきて、
とてもせつない気持ちになりました。

さらば巽。
そして、TATSUMI Modern Japanese Cuisine & Bar in Auckland へ。

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