「EBISU」と「ZEN」をはしご


お店に新しく設置するバーカウンターをどうしようかと、毎日考えているわけですが、
考えているだけでも、なんのアイディアも浮かびませんので、
他のお店のバーがどうなっているか、見に行くことにしました。

そして、行ったのが「EBISU」と「ZEN」
両方とも行ったことあるし、ZENに関しては先週は3回も行ってるんですけど、
「バー」に焦点をあてて行ったわけではないので、意外にどんなだったか見ていないんです。

さて、「EBISU」。
今回は、最初からバーカウンターで飲み、そのあとテーブルへ移動する予定でいました。

食事をするところ(=つまりレストラン)というよりは、お酒を飲むところなんですね。
お酒を飲むところで、揚げ出し豆腐とか、牛たたきとか、枝豆とか、刺身サラダとか、
そういうメニュー構成だったら、確かに居酒屋かも。
でも、それは、無理やり日本語にすると「居酒屋」というだけで、
EBISUは完全に「バー」ですね。
バーで出すつまみや料理が「和食」なだけです。
盛り付けも、とってもモダンで洋風ですしね。

モダンな店内(=どうみても和食じゃない)で、お酒を飲みながら、モダンな和食を食べる店。
このコンセプトでは、大成功ですね。
うちは居酒屋ではないので、そこんとこはかぶりませんが、
EBISUと同じ土俵で戦って、勝てる気がしません。

でも、巽は、あくまでも「レストランにあるバー」ってことで、
バーで勝負するわけではありません。
だからこそ、参考にさせてもらいに、伺ったわけです。
バーのテーブルの幅。
バー内の広さ
バーカウンターの中にあるシンクの位置とそのサイズ
生ビールサーバーと、レジと、シンクの配置
お酒の並べ方
などなど。
百聞は一見に如かずです。

ふむふむと思いながら、わたしたちが研究にきていることがばれないように、
英語の単語使用厳禁で、日本語オンリーで会話をしました。
グラス=コップ とか
アイス=氷 とか
マニュアル=あんちょこ とか

カクテルメニューも、日本のお酒を使ったオリジナルものがたくさんあって、
勉強になります。
私たちが、作り方を真剣に見ていたら、いろいろ説明してくれました。
親切なバーテンさんだなぁ。

そして、そのあと、テーブルに移るとき、

「あなた方は、飲食関係の方ですか?」

と聞かれたのです。

すごいなー。ばれてる。
なんで?

クライストチャーチのお店が地震でクローズになり、
今度オークランドで新しくお店を始めることを話しました。

この情報はマネージャーにまで伝わり、
帰るときには「どちらにお店を出されるんですか?」と聞かれました。
オープンしたら、遊びに来てくれるそうです。

さて、このあとはZEN
「また来たか」って感じですが、いつも笑顔で迎えてくれてありがとう。

20時15分からの、緞帳が上がる「ご挨拶の時間」を無事に見届け、お酒を注文します。
月曜日だというのに、ほとんど満席です。
この前きたときは、火曜日だというのに満席で、外席でしたからね。たいしたもんです。
ZENは、以前もここで紹介させていただいたことがありますが、
モダンな店内に、ベタな和の装飾をおいている、近未来「日本テーマパーク」みたいなお店です。
EBISUたいに、「和」の香りがまったくしない、「完全モダン」なのとは違い、
和を前面に出しているのに「ベタ」じゃなく、むしろそれがかっこいい店なんです。
しかもなにしろ、料理が安い。
ここぞ本当に居酒屋。
でも、かっこいい皿に、おしゃれな盛り付けででてくるわけですよ。
そういう意味で、コンセプトは居酒屋かもしれないけど、
いわゆる日本にある居酒屋とは一線を画しています。
本当に、ZENは、行く度に「すごいなあ」と思うなにかと出会います。
もちろん、ここも巽が目指すのとは違う方向性なんでいいんですが、
同じ土俵では決して戦いたくない相手です。

ずっと知らなかったのですが、以前より「よく働くなー。」と感心していたスタッフが、
実はZENの奥様だったと知ってから、彼女の働き振りには舌を巻くばかり。
歩くのが早い。客席を見てる。笑顔で接客。
トイレいったら掃除してるじゃないですか!あー驚いた。
そのあとも、オープンキッチンのところのガラスを拭いたり、床についた汚れを拭ったり、
奥様自らそんな作業をされているのです。
感心するなー。お店のこと愛しているのが良くわかります。
私も、巽をとっても愛しているけれど、彼女の姿に、初心に帰った気がしました。
本当に、お店だけでなく、店で1スタッフとして働くオーナーの姿勢にも、
頭が下がる思いと共に、私も頑張らねばという気持ちになります。

さて、バーめぐりで2店舗ハシゴしたわけですが、
とうとう今週中には、バーの施工を依頼する業者さんが決定し、来週から工事が始まります。
難しいことばかりだし、私の能力を超えることもたくさんあるけれど、
やるしかないんです。
そして、やるからにはいいものを作らなくては。。。

明日も面接が控えています。
一緒に頑張れる、志の高い人だといいな。

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