食い逃げの対処方


以前、若いカップルに食い逃げされたことをここに書きました。
その時には、私が知らない間に、スタッフが速攻警察に通報。
「警察に電話しておきました」と事後報告で、その毅然とした態度と、行動力に驚いたものです。

今回は、最初から怪しい中国人の若者3人組でした。
入り口であいさつし、予約があるかどうか確認して、お席へご案内というのが、通常の流れですが、
彼らは、人の話も聞かずにズカズカと入って来て、一番奥の席に勝手に座ろうとしました。
「そこは予約席ですので、あちらのテーブルでもよろしいですか?」と移動してもらったのです。
注文は、一人$80のコースを3人前と、冷酒。
料理と料理の合間に何度もタバコを吸いに行って、テーブルはタバコの灰と葉のカスだらけ。
コースの最後に、単品で握りずしを2皿も追加注文して、
料理とお酒の合計は$402という金額になっていました。
「若いのに、随分羽振りがいいなぁ。」と思ったものです。

9時少し前、このテーブルはあとデザートを残すのみになっていて、
その前にまたタバコを吸いに行きました。
途中、何度もタバコのために席を立っていたので、まったく怪しいとは思いませんでした。
ところが、9時にあがりのスタッフに声をかけにバーカウンターへ行くと、
彼女が忽然と姿を消していたのです。

最初は、お手洗いかな?程度にしか思っていませんでした。
でも、あまりにも帰ってこないので、在庫を補充しにいったのかと思い、倉庫も見てみましたがやっぱりいません。
もしかして、外でたばこを吸っているあの3人組につかまって、外で話をしているのではないか?
と思い見に行きましたが、やっぱりいません。

ところが、彼女がいないだけではなく、3人組もいないのです。

あれ?外でタバコを吸っているはずなのに。。。

そこで、「もしかして食い逃げ??」と初めて気づき、キッチンスタッフにも声をかけ、
お手洗いなども見てもらいましたが、誰もいません。

若い3人組と、スタッフ一人が、知らない間に、忽然と姿を消してしまったのです。

思いつくことと言えば、3人組は食い逃げして、それに気づいたスタッフが追いかけた。
ということくらいです。
でも、追いかけたにしては、あまりにも帰って来ません。
彼女がいないことに気が付いてから、ゆうに15分以上が経過しています。

「もしかして、拉致されたのでは?」という思いがよぎり、とたんに心配になりました。
女一人と男3人です。力では勝てっこありません。

ダンナが、彼女を探すために、外に出ていき、
残された私たちは、「どうしようか。警察に電話しようか。」と、話していたその時、
なんと、彼女が、3人組の一人と一緒に店に戻ってきたのです!

やはり、3人組は食い逃げをするつもりで、タバコを吸いにいくふりをして逃げたそうなのですが、
彼女は、3人組の3人目が、店の外に一歩でたとたん走り出したのを見逃しませんでした。
そして、つかまえるべく、後を追いかけたのです。

先に出た二人は、店の前の公園を通り抜け、通りを渡ったところにある駐車場へ消えていきましたが、
最後の一人は、力尽き、駐車場の入り口にあるレストランの植え込みに隠れたそうなのです。
ところが、追っかけているわけですから、隠れる姿も丸見えです。
そして、あえなく御用。
彼を捕まえているその横を、最初の二人が乗った車が駐車場から出てきて逃走。
一人残された彼は、もう観念するしかありません。
その車のナンバーは通りすがりの人がメモしてくれたそうで、
彼女はばっちり、逃走した車のナンバーまでGETしてきたのです。

その様子を見ていた傍らのレストランのマネージャーが外に出てきて、いろいろ対応をしてくれたそうです。
まずは、彼に「携帯を出せ」と言いました。
そのマネージャーの方いわく、「会計するから」といってクレジットカードを預かっても、
それが本物かどうかも分からないし、本物だったとしても、カードを止めることもできるので、
「支払うからカードを」というのは、まっとうなようで、ダメなんだそうです。
だから、携帯を人質(物質?)にするのが一番良いんだとか。
逃走しても、いろんな人の連絡先が入っているので、簡単に本人を割り出せるというメリットもあります。
随分と慣れた様子で、食い逃げにはよく遭遇するのかもしれません。

そして、うちのスタッフの手に彼の携帯が渡り、
彼は、レストランに連行されてきたというわけです。

それからどうしたかというと、お会計をもらおうにも、まず彼は財布を持っていませんでした。
持っているのは携帯のみで、身分証明書すら携帯していません。
そして、「友達にお金を払ってもらう」といって、連絡したいから携帯を一時返してほしいと言いました。
そういうことなら仕方ないので、一時携帯を返し、電話をしたり、TEXTをしたりしはじめました。
9時半までに誰もお金を支払いに来なかったら、警察に連絡すると言ったのですが、
友達が10時にはここに到着できるから、それまで待ってほしいと言われました。
そして、お金を支払うから、通報しないでほしいと懇願されたのです。
それでも、逃げた二人は逃げたまま。せめてあの二人の車のナンバーは通報するべきでは?
と思いました。

聞くところによると、彼らは全員香港人。
捕まった彼は、もうNZの市民権を持っていて、オークランド大学を卒業したばかりなんだとか。
あと10日で香港に帰って、会計士になるとのことで、ここで問題を起こしたくないとのこと。
そして、残りの二人は、香港から来たばかり。どうりでまったく英語が通じないはずです。
留学生なので、警察に通報されたら、彼らは香港に強制送還になるでしょう。
そんなわけで、みんなそれぞれ通報されたら困る理由があるから、
お金は払うので、どうか通報しないでほしいと懇願してくるのです。

それを聞いたうちのダンナは、「そんなの関係ないよ。食い逃げしたのは君たちでしょ?」と一蹴。

彼らが常習犯なのか、出来心でのことなのかは分かりませんが、
ここで私たちが警察に通報したら、彼らの人生が大きく変わってしまう可能性は大いにあります。

私とスタッフは、警察に通報したことによって、逆恨みされることを懸念していました。
でも、ダンナは、たとえお金を払ったとしても、
もし、彼らが逆恨みで、店の窓を割ったりなどの行為に及んだ場合、
身分証明書も持っていない彼らを捕まえることは出来ないので、
なにがあっても、情状酌量はせず、通報すべきだと言いました。

ダンナを懐柔することができなそうなことを悟った彼は、
突然親しげに話しかけてきました。
「体格がいいけど、柔道かなにかやってるの?僕、日本が好きで、10回以上行ったことがあるんだよ。
日本人が嫌いで食い逃げしようと思ったわけじゃないんだよ。」
そして、カタコトの日本語で「ゴメンナサイ」と言います。
ダンナは「いいから黙ってろ。」と一言。

すると今度は、「友達が来るまでの間、外でタバコ吸いたいんだけど、一本くれない?」と言い出しました。
なんて図々しいんでしょう。
ダンナは「お前が外に出れるわけないだろ。タバコを吸いにいくなら一本あげてもいいけど、その時には警察に通報するけどいいか?」と言いました。
彼はおとなしくタバコをあきらめました。

そんなこんなしている間に、彼の友人が到着。
これがなかなか見るからにナイスガイなんですよ。
彼こそ、会計士がふさわしい外観。食い逃げの彼なんて、うさん臭いったらありません。
その友人は、彼の顔を見るなり一喝。そして、あきれ果てた顔で、会計をしました。
$402の会計で、現金で$410支払い、$8お釣りを渡すと、そのお釣りはチップジャーに入れて行きました。
男前だなぁ。
あんな友達を持って不幸だけど、でも、きちんと救ってくれたわけです。
あのあと、あの二人の関係がどうなったかは分からないけど、
お金を支払いにきた友達が、あまりにもまともそうな好青年だったため、
彼の顔をたてて、警察への通報はしないことにしました。

ちなみに、食い逃げをした理由は、
「毎日があまりにも退屈で、香港に変える前に、なにかエキサイティングなことがしたかった」んだとか。
そして、観念して植え込みの陰に隠れた理由は、
「食べ過ぎて走れなかった」んだとか。
まったくもって呆れます。

それにしても、スタッフが忽然と姿を消したときは、どうなることかと思いましたが、
無事に戻って来てよかった。
そして、まさか捕まえてくるだなんて夢にも思っていなかったので、敢闘賞ものです。
だけど、女の子ですから、もし今度こういうことがあっても、無理に追いかけたりしないように言いました。
相手がナイフなど持っていたら大変です。

でも彼女は、「まわりの通行人の人や、駐車場のところにあるレストランのマネージャーの助けがあったからこその結果なので、お礼なら、まずは、あのレストランのマネージャーさんに言ってください。」と言いました。
なんて謙虚なのでしょうか。

前回の食い逃げの時に、迷わず警察に通報した毅然としたスタッフにも感動しましたが、
今回の食い逃げでは、迷わず追いかけて、そして捕獲して戻ってきた勇敢なスタッフにも感動しました。
私には両方できません。
本当に、素晴らしいスタッフに支えられているなぁ。と、改めて感謝したのでした。

それにしても、クライストチャーチでは、食い逃げなんて一度もなかったのになぁ。
まわりの人に聞くと、オークランドでは結構あるみたいですね。
気をつけようにも、どう気を付けたらいいんだか。
こればっかりは、100円ショップに万引きが付きものなように、
レストランには食い逃げが付きものなんですかね。

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